(※訪問時期が5月上旬の時間差更新です。)
1947年創業、広島県尾道市のご当地ラーメン『尾道ラーメン』の代表格として、最も有名かつ人気のお店。
店名は朱華園で「しゅうかえん」と読み、「朱さんの店」として観光客からの人気はもちろん、地元で長年親しまれています。
尾道ラーメンは醤油味ベースのスープに、平打ち麺、トッピングには大粒の豚の背脂ミンチが乗っているのが大きな特徴。
尾道のラーメンの歴史は戦前にまで遡り、中国福建省出身の張さんという人が、手回しの機械で麺を作り、露店でチャルメラを吹きながら「支那そば」として売り歩いたのが始まりだそうです。
当時は牛骨や豚骨を使い、白く濁ったスープだったとか。
尾道は造船の街だったため、戦前戦中は大陸から来た人々が大勢造船業に従事していました。
戦時中に材料不足になった影響で一時中断されましたが、戦後に造船業が衰えた頃、「中華そば」の屋台を引く者が現れ始めたそうです。
こちらのお店『朱華園』の創業者、台湾から来た朱阿俊さんもその1人だったとか。
現在の尾道ラーメンは、戦前から伝わるものをベースに研究改良して生まれたものと言われています。
大きな特徴については上述の通りですが、やはりお店ごとで様々なスタイルがあります。
特に多いと言われるのは、スープに瀬戸内の小魚の出汁が加えられたもの。
しかし意外にも、朱華園のスープは鶏ガラがメインで豚骨をわずかに使用したものだそうです。
『尾道ラーメン』というジャンルを確立したのは、隣の福山市にある珍味メーカーと言われています。
そこが販売した「お土産用尾道ラーメン」はスープに鶏ガラと平子イワシを使っており、その商品が大ヒットしたため、以後そのタイプのスープが尾道ラーメンのスタイルとして定着することに。
なので朱華園は「うちは中華そばであって、尾道ラーメンではない」と断言しているようです。
しかし朱華園は全国的に尾道ラーメンの人気店として知られているという、なんだか特殊なパターンに感じます。笑
やはり尾道でラーメンを食べるとなれば、ここは絶対に外せない名店。
初めて尾道に来た時に最初に食べに行き、その美味しさのファンになりました。
今回久しぶりに尾道に来たのですが、またここの味が恋しくなったので食べに行くことにしました。
お店は尾道駅より徒歩15分ほどの距離。
駐車場はお店の南少し離れたところに2台分あるそうですが、私は周辺のコインパーキングへ駐車しました。
この日は平日の水曜日、お店へは13時過ぎの訪問。
以前は土日に訪れかなり混んでいましたが、この時待ち列は4人と結構空いていました。
先に厨房のカウンターで注文と会計を済ませて番号札を受け取り、店員の方の案内で席へ着きます。
列はあっさりと進み、すぐに席へ着けました。
メニューは中華そば、ワンタン、餃子、そして酒類。
以前焼きそばも食べたことがあり、これが結構美味しかったのですが、この日売り切れなのかメニューにはありませんでした。
とりあえず今回は中華そばを注文!
【中華そば】600円(税込)
チャーシュー、ネギ、メンマといったシンプルなトッピングに、大粒の背脂ミンチがちらほら。
細かい背脂が表面を覆っており、少しこってりとしたビジュアルです。
スープは鶏ガラをメインに使用しており、少し酸味を効かせた非常にコクのあるスープ。
味は濃いめですが、脂っこさはなく口当たりはあっさりとしています。
麺は自家製らしく、中細くらいの平打ち麺。
舌触り滑らかのツルツルした麺で食感は少し柔め。
メンマはコリコリ、チャーシューは脂身控えめ。
プルプルの背脂はスープと一緒食べると普通に具材として楽しめるのも良いですね。笑
このラーメンを食べると尾道来たなぁってなりますね。笑
ラーメン食べ歩きも魅力的ですが、坂が多い独特の街並みや、スイーツの名店も数多くあり、尾道はかなりお気に入りの街です。
尾道ラーメンのお店まだそんなに開拓できてないので、もっとこれから色々食べ歩きたいところ。
ご馳走さまでした!
※訪問当時は5月上旬でしたが、6月上旬に衝撃的な情報を目にしました。
どうやら2代目店主の体調が良くないらしく、6月19日から再開未定で休業に入るとのこと。
本店は休業ですが、支店である福山市の松永店は18日の営業を最後に完全閉店するようです。
現在は情報を聞きつけたお客さんが食べ納めに殺到しており、連日大行列ができているとか。
私は休業までに尾道に行く時間が作れそうにないので、このまま閉店してしまうと、5月に食べたのが最後になります。
大好きなお店だけにショックが大きいですが、また再開することを願って待ち続けるしかないですね。
朱華園
0848-37-2077
広島県尾道市十四日元町4-12



