◆ 自己を見つめる


米サンフランシスコの中心部にある「サンフランシスコ禅センター(発心寺)」。

このレンガ造りの建物で指導した僧侶から多くの世界の米国人が禅を学んだ。

米巨大企業アップルの創業者、スティーブ・ジョブズもその一人だった。

そのセンターなどで活動した曹洞宗僧侶、知野(乙川)弘文(1938~2002)は75年、サンフランシスコから車で南に約1時間のロスアルトスでジョブズに禅を教えた。
知野は生前、ジョブズについて「頭が良過 ぎて1時間以上座っていられなかった」との印象を語っている。

足を組むのは苦手でも、生き方に悩んでいたジョブズは真剣だった。

「働くって、何ですか?」

「精神性と、競争社会でのビジネスは両立できるのでしょうか?」

知野の下で活動していた曹洞宗僧侶のレス・ケイ(80)は当時、ジョブズからこう尋ねられたのを覚えている。

長髪ひげ、穴だらけのジーンズに裸足のヒッピー姿。

若き青年は、「ビジネスの世界に入れば人間性を失う」と悩み、禅に答えを求めていた。

米国は20世紀、繁栄を謳歌した。勤勉禁欲を旨とするキリスト教プロテスタントの価値観が資本主義を発展させる原動力となってきた。

だが、ジョブスの世代は、ベトナム戦争への反対運動をきっかけに、現体制を批判し、それを支えた資本主義やキリスト教に反発した。

その一部は、「自己を見つめよ」と問う禅宗の教えに吸い寄せられた。

ジョブズは伝記で、座禅「直感が花開き、物事がよりはっきりと見える」と語った。

ジョブズは、禅の指導を受けた翌年の76年、アップルを設立した。

2011年10月5日死去・56歳「人生で最も大切なことは、自分自身の心や直感に従う勇気を持つことです。」・・ジョブズ
2014年1月14日読売新聞より


◆ 瞑想講座:人気
 

禅の影響は今もIT(情報技術)業界を中心に広がる。

グーグルやヤフーといった大企業が、社員向けに自由参加の瞑想講座を導入している。

「マインドフルネス」と呼ばれている。

インテル社幹部は「瞑想は、せわしない我々の業界に欠けている平安や落ち着きを与えてくれる」

◆ 心にやすらぎ 

「デジタル時代の今日、我々は常に「オン」だが、同時に心は「今ここにない」状態となっている。

瞑想は、体と頭と心を一つにするのを助けてくれる」 

瞑想は、日常の喧騒の中で満たされない米国人の心にやすらぎを与えている。

<禅とは>

鎌倉時代に中国から純粋な禅宗が伝わり、室町時代の幕府の庇護の下で発展。

明治以降、日本の禅が世界に伝えられていく。

宗教的な要素よりも、『人間としての自分を見つめる一つの手法』

意識を捨てて無意識下において坐禅する、坐禅そのものになりきることを意味する。

免研CAM主宰の「65歳からの健康を考える会」にてこの思考を利用・役立てたいと思います。

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