岩崎鬼剣舞 | シンガポールで好太太

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台湾人の旦那さんに嫁いでからのシンガポール・台湾生活をすいすいっと書いています☆
ただいま、台北で夫の実家で義理の両親と同居中。毎日がドラマチックです。

先週のことになりますが、4月28日にJCC(Japan Creative Center)主催のイベントに出席し、

岩崎鬼剣舞を楽しんできました。














開催場所はジャパンクリエイティブセンターのホール。
JCCには初めて足を運んでみました。

 

緑に囲まれたNassim Rd.に白い施設が綺麗。









当日は日差しが強かったので、ログさんとフラペチーノを買って持っていきました。
イチゴのフラペチーノ(新作らしい)甘くて、潤った~!

ジャパンクリエイティブセンターでは、飲み物禁止と思ったのですが、
意外や意外、飲み物を許してくれ、ホールの中でも潤ってました~(笑)



ログさんは、一気飲み。
恐るべし...。























てっきり、日本人ばかりかと誤解していていたのですが、
出席者は日本人の他に、シンガポール人やその他の国籍の方がたくさんいました。
ホール自体が小さめなので、実際はあまり人は入りませんが...。でもアットホームでいい感じ。


進行も日本語で進むのかとも誤解していたのですが、こちらも英語。
「そうだったのか~!だったら友達誘えば良かった~!」と後悔。ログさんからも非難の嵐(涙)


間もなく催しが開始。
まず始めに鬼剣舞を披露してくれ、その後は、岩崎鬼剣舞の代表の方と
司会の方が舞についての紹介をしてくれていました。





結構な迫力だったからこそ、映像で伝えられないのが申し訳ないですが、
私のカメラの手ぶれ具合を参考に岩崎鬼剣舞の臨場感を感じ取ってもらえればありがたいです...。






















鬼剣舞は、岩手県に伝わる伝統芸能で、1993年には重要無形民族文化財に認定されました。
但し、重要無形民俗文化財に認定されたのは、代表の4地区の鬼剣舞のみで、
今回披露された岩崎鬼剣舞は、その4地区の一つに入っています。

”代表4地区”以外は文化財としては認定されていないようですが、
それでもなお、各地域で文化が受け継がれていることって、素晴らしいことですよね!





ちなみに、私事ですが、岩手県には国宝の中尊寺金色堂があって、
小さい頃、歴史好きの父に家族旅行で連れて行ってもらったことがあるので少々思い入れがあります。

帰宅後は、忘れた頃に歴史クイズを投げられて、「行ったところだから!」と言って、
決して忘れさせてくれないんです。抜き打ちクイズなので、回答者はおっかなびっくりなんです。





さて、鬼剣舞は、夏祭り、収穫祈願に披露される舞。
岩崎鬼剣舞の代表の方が、「大地を踏んで鬼を踏み沈め、
地の気を整えて清浄にする」
目的で舞われると説明してくださいました。


収穫後に舞うこともあるようで、豊作だった場合は喜びの舞、
不作だった場合は憂さ晴らしのために踊るようです。





お面は「鬼面」なのですが、鬼の象徴であるするどい牙や角がありません
これは、鬼剣舞の鬼は仏の化身、あるいは仏によって浄化されたとされるため、
鬼の象徴はなくなっているんですね~。


それぞれのお面は手造りのもので、木材に彫刻されているので、重いようです。
舞の際には特に息をする事が難しく、舞の終盤には肩を揺らせている方がたくさんいらっしゃいました。
衣装も重そうだしな~...。これは相当な稽古をされてらっしゃるんでしょうね!























踊り手は基本、8人編成で、通常1~8人で舞を踊られます。
最初は前述の通り、4人で鬼剣舞の紹介をしてくれ、その後、以下のように舞を魅せてくれました。

(1)一人加護
(2)膳舞
(3)三番庭





(1)一人加護は、鬼剣舞を代表する演目の一つ。
扇の舞、刀の舞、素手の舞の三部から構成されています。

お面の色は、白、赤、黒、青の4色(5色のところもあるようです)で、リーダーは白
一人加護はリーダーの白のお面をかぶった最も上手い踊り手が舞うことになっています。













写真の刀や扇がブレていますが、一つ一つの動作がそれはもう機敏で、締まりがありました。
舞を見せていただいて、日本人の几帳面さはこういう文化を通じて受け継がれているんだなと思います。















この指先見て!ちょっと隠れたけど!

岩崎鬼剣舞は他の鬼剣舞に比べると、もとの姿から変化を重ね、他より華やかでダイナミック。
そんなところが国内外でも人気が出始めているようですが、
一方では、このような細分にとても繊細なところが垣間みれました。
























一人加護と次の膳舞という舞の間に、衣装の紹介がされました。
装束は20以上にもなり、着物の樣に重ね着をしています。





興味深かった装束は、上写真の腰の後にある赤い衣;「脱垂れ」と呼ばれるもの。
当初は、上着を脱いで、着物を腰に垂らして踊ったことが由来となっているそうです。
今は小型化してます。


それから、「脱垂れ」の下部に見える青い衣は、「大口」と呼ばれるもの。
これは、当初、座る時に座布団(ゴザ)のように使ったり、
衣装を汚れから守るためにつけているそうです。


あとは、「金剛杖(こんごうしょ)」です。
上写真には映っていないので、下写真で紹介します。



















次に紹介されたのは、(2)膳舞です。
本来は最初の余興として踊られる踊り。

なので、本来の”祈り”は込められていないのですが、余興ということで、
場の空気を暖めるために踊られる役割があります。





両手に持たれているのは、お膳。
この写真では”持って”いらっしゃいますが、佳境になるとお膳を手の平でお膳を巧みに操ります。
実際、目にするとお膳が手に引っ付いているようにも見えて、とてもおもしろかったです。

観覧者にもチャレンジさせてくれ、確かに余興的な演目ですね~。
























そして、おしまいには(3)三番庭が披露されました。

三番庭では、輪になって刀を持ちながら踊られる場面も見られました。
もう、そこらへんは、かなり感激していたので、写真より目に焼き付けました。照れる

















 

お楽しみ中失礼!
ちなみに、このリーダーの踊り手さんが左手に持っているのが、先ほど紹介した「金剛杖」です。
「金剛杖」は、そもそもは文字の通り、元々は杖でしたが、
踊りの効率化のため、時代とともに小型化されて、現在の形になるそうです。

基本的には腰に指しているのですが、踊りの流れで、左手に持っていらっしゃいました。

八人編成でも、白のお面は一人だけと限られています。
リーダー以外の皆さんも迫力満天でかっこ良かったです!


























地面を踏む音が心臓にまで響いてきました。
主催者側から「ホールが小さくて...」と謝罪をされていましたが、
私からするとむしろ近くで拝見することができて、感謝雨あられ!本当に感激しました!

そうそう!踊り手さんももちろんかっこ良かったんですが、
太鼓、笛、手平鉦を奏でる囃子方の方々も本当に素敵でしたよ!
なんか、和服で和楽器を奏でる年配の方って趣きがあります。
その味が分かる日本人に生まれてきて良かった~(涙)







と、いうことで、





この度は、JCCさん、岩崎鬼剣舞の皆さん、本当にお疲れさまでした。

海外にいるからこそ、普段盲目的だった日本文化の尊さに気付かさせていただきました。
日本の文化として誇れる鬼剣舞、素晴らしかったです!





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日本Japan Creative Cneterシンガポール
4 Nassim Road, Singapore 258372
Tel: +65-6737-0434

Opening hours: 
Mon - Fri, 09:00 - 16:30 (Regular)
Tues - Sat, 10:00 - 18:00 (Exhibition)

ジャパンクリエイティブセンター主催の開催場所と時間は、
イベントごとに場所が異なるので、事前に申し込み+チェックをしてくださいね☆