昨日の午後(あぁ、また日付が変わっちゃったよ...)、国立博物館で行われているチャイナドレスの展示会
In the Mood for CHEONGSAMへ行ってきました。
博物館や美術館、舞台も好きなんですが、出無精でなかなか行けずにいるんですよね(^^;)
今月18日から始まるSingapore Art Festival へも行けるかな~...。
さて、このチャイナドレスの展示会は、シンガポール国立博物館で初めて行われる催し。
展示品のドレスは博物館の1920年以降のコレクションで、当時のシンガポールの政治家婦人
(Mrs. Benjamin Sheares、Mrs. Wee Kim Wee、 Mrs.Lee Kuan Yew)などのドレスが展示されています。
一部の1920~1930年代のレアなチャイナドレスは、Hong Kong Museum of Historyや、
Hong Kong Film Archivesから出展されたものもあり、女優のLin Dai(林黛)のものもあります。
私は、日本と台湾で結婚式をしたのですが、渡星を挟んで、台湾の結婚式は後にしました。
ログパパの突然の思いつきで、結婚式の「奉茶」という儀式の時にチャイナドレスが必要になったのですが、
当時、私たちはシンガポールにいたので、ドレスの納期を考えると台湾でもシンガポールでも探すのが
必死だったのを覚えています(笑)
チャイナドレスは、英語ではChinese dressやMandarin grownと呼ばれ、
中国語では旗袍(QiPao)と呼びます。
式前に、シンガポールでチャイナドレスを探そうとしてネットで探していたのですが、
その2つのワードで検索してもネット上ではなかなか引っかからないんですね。
友人に聞くと、シンガポールではチャイナドレスのことを広東語を使いCHEONGSAM(长衫)
(片仮名にするとチョンサムかな?)と呼び、おかげでそれで調べれば沢山ヒット。
なので、今回の展示会の「In the Mood for CHEONGSAM」のCHEONGSAMはチャイナドレスを意味します。
交渉を重ねてやっと好きなのを購入することができました。
ちょうど、今結婚式に使った音楽を聞いてるのですが、こんなことしてると、去年のことになるけど
結婚式のことも書きたくなっちゃいます~
さて、かな~り、前置きが長くなりましたが、チャイナドレスの展示会♪
多分、今回もマイペースにダラダラと書くことになると思いますが、いってみましょう!
シンガポール国立博物館はこんな感じ。
国立博物館は、シンガポールでブライダル撮影をする場所でも人気で、
平日のお客さんのいない時間には、初々しいカップルも見かけます♪
今の私の気持にとっては反則だ!
いいな~。
チョンサム(以後、これでいきます)の展示会はB1になるので、
大きなスクリーンの傍にあるエスカレーターで地下に降りていってくださいね。
はじっぽに位置してます。
展示案内を過ぎるといよいよ入場。
In the Moor for CHEONGSAM、中国語での題目は「旗遇」。
これは「奇遇(QiYu)巡り合わせ」との言葉遊びのようなもので、
「奇(Qi)」と「旗(Qi)」の同じ音を使って、「チョンサムとの出会い」という意味になります。
センスのいいネーミングですね
チョンサムは、特にシンガポールの樣に文化や習慣が交わる国にあると、
時代によってデザインに変化大きく生まれるので、チョンサムの形を見るだけでも趣い。
チョンサムは、清の時代に満州人(男女ともに)来ていた民族衣装が原型となっています。
満州人というと、「旗人」という「八旗」の軍人が名高く、
「旗袍」の「旗」は「旗人」から由来し、「旗人が着る長い衣服」
下写真の赤いチョンサムは、香港からの出展されているもので、20世紀初頭のチョンサム。
袖は広く、全体的にルーズなところは原型を保つようにされていますが、長さが短くなっているところが、
辛亥革命(1911)を経て新しい衣服の概念を取り入れたデザインの特徴です。
女性のチョンサムは、ツーピースに分かれていて、
西洋風にスカートをあしらった型になってます。
革命後は流行に従って丈が短い傾向となっていきましたが、長い丈のチョンサムは
当時でも貴族の女性たちが着ていたようです。
1920年代は足首までくる長い丈、女性の体をよりアピールするため袖を短く、
にウェストも絞り、スリットがヒップ近くまで長く入ったデザインが広がりました。
1930年代になると上海でモダンブームが起こると、丈が更に短く。
この頃になると、もはやジャケットはなくなり、ワンピースが主流となります。
今、私たちが抱くチャイナドレスのイメージはこの頃のチョンサムですね☆
1930年代になると、生地も木綿の他にジョーゼットやポリエステルが増えてきて、
バラエティーや光沢も出てきたように感じます。
そんな中にも、華やかなチョンサムの中にも、黒一色のチョンサムがありました(下写真左)。
これは、喪服のチョンサム。
中華文化でもお葬式には黒。
同じく白も葬式を彷彿させるものなので、当時、結婚式に白のチョンサムを選ぼうと思った私の提案は即却下。
ウェディングドレスとは違うんですね~。
こちらのチョンサムは、通常の生地に化学品を使って加工し、立体感をつくりだす「燒花」と呼ばれる技法。
立体感を生み出すことによって、透明感を持たせる事ができます。
見た目もライトですね☆
上海のモダンブーム以降、雑誌やフィルムを通じてシンガポールでもチョンサムの人気に火が付き、
以降、シンガポールの女性の普段着として定着しました。
あまりの人気で、当時、中国留学する学生達は、
帰国時にチョンサムを新調し家族にプレゼントしたとも言われています。
一方、シンガポール国内には、オーチャードロードには上海の裁縫師がいたり、
ブラス・バザー一帯には顧客の要望にかなうチャイナドレスをつくる仕立て屋が並んでいたようです。
30~60年代のチャイナドレスを包装した小箱。
側面には、仕立て屋さんの店名も印刷されています。
(クリックすると大きくなります)
左写真、身頃は4つ。
なんだか、学生時代の家庭科が懐かしいですね(笑)
右写真は、仕立て屋さんの認定証です。
展示品の中には、当時のポスターも。

そして、記事を完成後、40000文字を超えてしまったので(多分写真が多すぎた)、別記事に続く。