ジレンマ | シンガポールで好太太

シンガポールで好太太

台湾人の旦那さんに嫁いでからのシンガポール・台湾生活をすいすいっと書いています☆
ただいま、台北で夫の実家で義理の両親と同居中。毎日がドラマチックです。

私にも、学生の頃に別れた彼がいた。

今年の始めにようやく意を決しって行った同窓会では、やっぱり精神的に不安定で・・・。

帰りの電車を乗り過ごしたりして、会ったことには後悔せずとも、こんなにも心が乱れるなんて思わなかったほどだ。


入籍1ヶ月前のことだったので、覚悟はしていたものの、少し考え込んでしまった自分もありました。


さて、今回はまた、その元彼ではないのですが、こりゃまた、別に社会人になって告白されたフランス人、セバスチャンがいました。

セバスチャンにも入籍報告をSkypeでし、スクリーンでは話さなかったものの、涙を流すくらいショックだったと言います。彼の気持ちを有り難く、そして大事にしながらも、今では親友というほど仲がいいです。

そのセバスチャンが、先週から一人で来日し、私に会いに来てくれたのです。

「もんらが、シンガポールへ行くことになって、これは早めに会いに行かなくちゃ」と、”目的は君に会いきたんだ”と言ってくれました。

それほど、価値のある人じゃないのに・・・、と恐縮しながらもその気持ちを受け取りました。


仕事では、同僚や取引先の人たちが、送別会を開いてくれたり、引き継ぎのために宿泊出張をしたりしていたので、実際には約10日の滞在期間中、3日くらいしか会えませんでした。

今日は、帰国日前日だったので、季節外れでは会ったけれど、「かに道楽」へ行き、帰りに閉店時間までカフェでお茶をしていました。

会った3日の始めの頃には、一度も言及しながった私の結婚のことについて、セバスチャンは聞き始めました。

「今の仕事を持っていて、日本の就職難の状況下、シンガポールへ行くことを理由にキャリアを諦めるのはもったいない」

「もんらが会社が大嫌いなことは分かってる。でも仕事は嫌いじゃないんだろ?だったら在宅でもなんでもスキルを無駄にしないようにすることを選んでほしい」

など、彼の考えを直球でもらうわけです。

本当に、そうなんですよね。正直、もう少しでまとまりそうな商談や、後少しで完成する申請等が沢山あって、完成する時の喜びを味わう前に退職するんだから。退職届を提出してから急進展したものもあったので、後任においしいところを持って行かれるのが、少なからず惜しい思いもあるんです。

でも、考え抜いて決めたことだから、ね。

きっと、シンガポールでも頑張ってみせるよ。


彼の宿泊先のホテルへ戻り、思い出の写真を撮ってもらい、いよいよ別れの時。

「本当に来てくれてありがとう。会えずにいなかった4年間は長い。だけど、Skypeやメールで連絡を取り合っていたので、少しも遠く離れている気はしなかったよ。」

と言うと、

「僕も。よくあちこち飛び回ってたけど、別れる前に”Keep in touch”と言っても社交辞令なだけで、中々、関係を続けられる人は少ない。でも、もんらは違った。だから嬉しいよ。」

「それに、放射線のことについては、両親には少し心配されたけど(おじいさまには故意的に伝えなかったようです)、もんらが大丈夫だから、僕もOKだと信じていたしね。」


彼は、まっすぐ人の目を見て喋るので、心にじーんとくる。


ハグをして、そしてエレベータで2階へ上がって行く彼を見上げながら、別れを惜しんだ。



”目的は君に会いに来たんだ”

これほど嬉しい理由があるだろうか。

4年前に始めて会って、再会をした。


結婚式前の今、「もし別の人と結婚していたなら・・・」と思うことがあるけれど、そう思ってもやっぱり「ログさんで良かったな」という結論にたどり着く私は幸せ者だ。


だけど、これからの人生、どこに定住するのかはまだ未定。

きっと、これを機に、私も彼の躍動を応援するのかもしれない。私のキャリアなんて二の次にして。子供を産んだりもして、むしろもっと仕事からはかけ離れる生活になるのかもしれない。

そういう時にこそ、セバスチャンの様な友達は、私に原点を見失わないようにしてくれる天使の様な存在だ。

そんな存在が、やっぱり会いたい時に会えない。

ハグをしたい時にできない。各国飛び回って、友達が倍にも何倍にも多くなるのは嬉しいけれど、ずっと近くで見守ってくれる友達がいないことがちょっぴり寂しくなりました。


ホテルから大阪駅へ一人で歩く、帰り道は心細かったな・・・。