- 雨の山吹 (新潮文庫)/山本 周五郎
- ¥580
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勝手に採点 ☆☆☆☆
表題を含む10篇の短編集。
無名の武士たちの絶妙な悲哀を描き、心に残る名作たち。
「雨の山吹」
家族を裏切り失踪した妹を斬るため、探索の旅に出た兄が
慎ましくもひたむきに生きる彼女の生き様に触れ、心を打
たれ成敗を断念する。
「喧嘩主従」
殿様のけんか相手と自負して来た家来が、勇み足でしでか
した始末。いつものことかと誰も気にとめなかったものの、
彼の婚約者が聞き及び、家来としてあるまじき振る舞いと
非難し一方的に離縁を宣言する。
その家来はそれから数年姿を消し、殿様の国替えに伴い帰
国したところ・・・。
時代小説にありがちな、武士道や男臭さだけでなく女性の
役割、気心にも焦点を当て、人と人との微妙なつながりを
描く手法には好感が持てる。