赤ひげ診療譚 (新潮文庫)/山本 周五郎
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勝手に採点 ☆☆☆☆


江戸の公儀診療所小石川療養所を取り仕切る「赤ひげ」こと

新出去定。


腕っ節が強く、話し方も一見乱暴だが、腕はぴか一で
幕府・各藩の要人にも多大な信頼を寄せられている。


一方で貧民のために無料出張診療を自主的に行い、金がなく

医療の施しが受けられない町人を日夜助けている。


一方、長崎から遊学から帰国した医者見習いの保本登は、出世

意欲満々で幕府の御典医になる目論みをもっていたところ、


はからずも小石川へ送られ、不本意ながら働くことになるが・・・。


古臭さを全く感じさせず現代にも通用する内容。


赤ひげの助けを借りながら様々な患者に出会い治療していくことで、
保本が人間的に成長を遂げる様が見事に描かれている。


エリート意識丸出しであからさまに相手を見下す態度は「県庁の星」
の主人公そっくり。


しかし、私生活では婚約中の彼女に逃げられ、仕事面でも不本意な扱
いを受け挫折を味わいながらも、赤ひげの厳しく温かい指導により
第二の赤ひげを目指すことになる。


ラストのすっきりとしたまとめ方、保本の潔さが爽やかな感動を呼び
起こす。