決闘の辻―藤沢版新剣客伝/藤沢 周平
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勝手に採点 ☆☆☆


宮本武蔵や柳生宗矩など、歴史に残る剣豪・剣客たち。
彼らの生涯に残る運命の対決を鮮やかに描く時代小説。


壮絶な死闘もあるが、結局本人は闘わわないバージョン
もあるなどバリエーションは豊富。


一番印象的なのは「二天の窟―宮本武蔵」のセコさ。


すでに老齢し、真っ向勝負では勝てないと分かるや、
自分の愛人を抱かせ、帰途を待ち伏せして打ち倒すなど
剣士としては最低の品格。


いまいち彼の名声が響かないのは、戦場での活躍がイマ
イチだったことと、こういった姑息な手段を労して、さして
有名でもない相手に勝ち続けたというネガティブイメージのせいか。


また、父の仇を討ちに行く「飛ぶ猿―愛洲移香斎」は逆の
意味で印象的。


仇である相手が亡き父を懐かしみ、自分より強いことが分かると、
潔く身を引く清清しさ。


きっと彼は故郷で許婚と幸せに暮らしたに違いない。