- 金融腐蝕列島 下
- ¥571
- 株式会社 ビーケーワン
勝手に採点 ☆☆☆☆
舞台はメガバンク協立銀行。一流私大卒ながらも、東大卒が幅を利
かせる行内にあって屈辱的な辞令を受け取る竹中。
それは総会屋対策を専門とする部門への異動だった・・・。
異例の人事異動に隠された銀行を揺るがすスキャンダルとは。
会社の論理に巻き込まれながらも自説を貫こうとする孤高な姿は
見ていて清清しく憧れる。
不正融資に手を貸し、良心の呵責に苛まれながらも、敢えて権力者
に立ち向かう勇気は見習いたいもの。
サラリーマンではなかなかこういった行動は難しい。
それと株主総会のリハーサル風景は、自身の経験と相まって懐かしい
印象。確かにこういった意地悪質問をさせた思い出もあるし、総会後の
お酒のうまいことといったら格別。
主題となっている銀行内部の権力闘争とは本当に凄まじい。
他人を蹴落とし落としいれ、自分の踏み台、盾として利用していく。
その勝者が会社を私物化し、権力にしがみつく様になっては見苦しい
し、なにより会社にとってもは最大の不利益。
権力は清らかな水の如くあり続け、溜まりになってはいけない。
近年の商法改正によって、経営に対する監視、ガバナンスの強化が
図られているが、体質は変わってきているのだろうか。
そういった意味では、ちょっと設定が古い感は否めないが、ぜひ続編
を手にとって見たいもの。