- 伊坂 幸太郎
- 魔王
勝手に採点 ☆☆
物事を深く、突き詰めて考える癖のある兄と気ままな生活を楽しむ
弟、そして弟の彼女の物語。
そんな兄に宿った不思議な力。宮沢賢治を愛好する新興政治家の
出現に危機感を覚え、その力を最大限活用すべく行動にでるが・・・。
正直がっかり。まず設定に新鮮味が感じられない。
両親のいない兄弟や仙台という設定からもう離れるべき。
ストーリー自体にも意外性や独創性に欠け、ストンと腹に落ちない
もやもや感が残る。
兄の意思が弟に引き継がれるわけだが、それもかなり中途半端に
終わりを迎える。え、これで終わりなの?という感じ。
政治家の描写、背景も説得力が足らず、彼をそこまで危険視する
意図がイマイチ伝わってこない。
独裁者=ファシズム=悪みたいな図式は、いまさらだし、平和
憲法改正論議というテーマも氏の小説の題材としては不向き。
政治的背景や信条と離れ、よりファンタジックな色彩の強い、深い
余韻を楽しませてくれる作品を望みたい。