著者: 水原 秀策
タイトル: サウスポー・キラー

勝手に採点 ☆☆☆

「このミステリーがすごい!」大賞第3回大賞受賞作。

人気球団に所属するピッチャーの沢村は、一流大学卒業後、海外留学

を経てプロ入りした頭脳派サウスポー。

実績もそこそこ積んだシーズン中に見ず知らずの怪しい男から因縁を
つけられ、突然八百長疑惑の渦中に巻き込まれる。

球団や監督からも見放され、選手生命の危機にさらされた彼が、自分

を罠に陥れた見えざる敵に戦いを挑んでその真相を暴く!

主人公沢村がクールで実力もあってなかなかカッコイイ。

体育会系アスリートが集うプロ野球界でこんな男がいたら、
確かに浮きまくること請け合い。

身に覚えのない脅迫からマスコミを使った暴力団との癒着疑惑に展開

する着想もかなり信憑性があってリアル。

球団も会社組織だから、保身を考えるとこの手の報道には臭いものには
フタ的な対応になっちゃうのも頷ける。

新聞社オーナーを父に持つ若き二世が球団の実質的支配者というのも
現実的にありそう。

ただ、残念なのは真犯人とその動機。やっぱり「そこまでやるか!?」
的色彩が強い。

実行犯の元警察官も不気味な仕事人って感じでよかったのだが・・・。
これではせっかくの大投手も脳みそまで筋肉モリモリだよ。