著者: 宮部 みゆき
タイトル: 淋しい狩人

勝手に採点 ☆☆☆

下町にある古書店の雇われ店主のイワさんとその孫・稔を中心に
繰り広げられるヒューマンドラマ。

日常のちょっとした謎を年の差コンビが解消していく短編集。

雇い主が死んだ親友の息子で刑事という設定がいかにもといった
気がするものの、その分展開に幅が出ている。

最も印象的なのは名刺に纏わるお話。
今時そんな営業方法もないだろうと思うが、ラストの展開には
ちょっとビックリ。

社交的で明るい営業マンの無残な最期。
上司の女としての悲しみ、焦り、憔悴が伝わってきて物悲しく切ない。

それと死んだ作家の未完の著書を引き合いに発生した殺人事件の話も
なかなか読ませる。

導入部分の娘との何気ないやり取りから発展していく、ストーリーの
組み立ては宮部氏ならではのうまさが光る。

ただ、犯人が襲ってくるのは蛇足の感。ちょっとやりすぎな気も・・・。

氏の時代物やこういった現代が舞台の連作短編集は、まったく危なげなく
(落胆することなく)堪能できてとってもオススメ。