著者: 奥田 英朗
タイトル: 邪魔〈上〉

勝手に採点 ☆☆☆

数年前に交通事故で妻と義母を亡くした刑事久野。

東京郊外にあるメーカーの仮事務所で起こった放火事件
の捜査を進めるうちに明らかになる犯行動機とは。

不良少年や暴力団、平凡な主婦らを巻き込みながら事件
は思わぬ方向へ展開していく。

登場人物が多く、複数の話が同時展開されるので、若干
分かりづらいところはあるものの、それぞれが単独で膨
らませて一冊の本になりそうな話なので引きこまれる。

特に主婦のパート先であるスーパーマーケットでの社長
や店長、パート仲間との複雑な人間関係と怪しげな消費
者運動家との関係はかなりリアル。

国産車の購入や遊興費の捻出のため、セコイ横領に手を
染めるしがないサラリーマンの末路は哀れで物悲しい。

それに比べて突っ込みたいのは久野と義母の関係。


もう少し親切に導線を張っておいてくくれば、だまされ
た気分にならないのに。

ラストでの主婦の意外な脱線振りとスカッとしない尻
すぼみ気味の結末に少々消化不良感。