著者: 森 博嗣
タイトル: 工学部・水柿助教授の日常

勝手に採点 ☆☆☆☆

N大学工学部水柿助教授とその奥さん、研究室仲間が主な
登場人物。筆者の自叙伝、私小説の雰囲気が強い。

日常に転がる何気ないちょっとしたミステリーを紹介し、
それにまつわる蘊蓄、解説を少々脱線気味に展開する。

前から読みたかった期待度の高い作品。
結論から言うとこれで森博嗣ファンの仲間入り。

著者曰く、ライトな1ミリグラムのテイストと評するほど
の肩の凝らない軽妙さが特徴。

数々のエピソードが紹介されるが、特に興味を引くのが試験に
まつわるお話。

さすが現役の先生だけあって、作問や試験官としての経験は
「え、本当?」「なるほどな~」とつぶやきたくなるリアルさ。

そういう意味では本格ミステリーの醍醐味を堪能するというより
は、肩の力を抜いて「森博嗣」の嗜好(思考)を楽しむ内容。

一見おふざけ半分に書いているようだが、ミステリーに関する
手法や知識はやはり他を圧倒するものを感じる。

本書の言葉を借りればまさに「巨編ではなく虚編」。
ぜひ本格作品を手に取ってみたい。

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