
著者: 貴志 祐介
タイトル: 黒い家
勝手に採点 ☆☆☆☆
映画化もされた第4回日本ホラー小説大賞受賞作。
生命保険会社のサラリーマンが、呼び出された顧客の家で子供の
遺体を発見する。
不審を抱いて調べるうちに巻き込まれる事件の数々と驚愕の事実。
犯人の執拗な攻撃から身を守ることが出来るのか?
狂気の犯人がジワジワと迫り来る精神的な恐怖と犯行現場における
おぞましい描写の視覚的恐怖、貞子的ともいえる心霊的恐怖が三味
一体となって五感を襲う。
恐怖感を一層現実味を持たせるのに一役買っているのは、物語の背景
となる生保会社の内情。筆者の経験に裏打ちされたやりとりがリアル
に伝わってくる。
日々夫がカウンターに訪れ、保険金をしつこく要求するあたりは、何
とも言えず不気味でおぞましい雰囲気が漂う。
さらに、犯人の得体の知れない怖さは、まさにモンスターというべきで、
そんなのに襲われたら勝ち目ないなーと戦意を喪失すること請け合い。
なぜ超人的な力を発揮できるのか、どうやってここまで異常に成長した
のか疑問に残る部分はあるものの、圧倒的恐怖がそれを忘れさせるほど。
多額の保険金を狙った殺人は、現実にも事欠かず、日々ワイドショーを
賑わせている。そういう意味で最も怖いのは、際限のない人間の欲望か
もしれない。
いわゆる保険金詐欺とサイコホラーを見事に融合させた上質なサスペ
ンスであり、犯行の猟奇性・冷酷性には戦慄を覚えるほどだ。
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