勝手に採点 ☆☆

恋人を殺された女流作家が親友の女性編集者とともにその
謎を追う。聞き込みを続けるうちに関係者を次々と襲う悲劇。

被害者たちには、クルージングツアーに参加し、遭難した経験
を持つ共通点が・・・。

そこで一体何が起こったのか?そして犯人は?

うーん、どうも「はい、そうですか」と納得がいかない。
一番腑に落ちないのは、真相解明のため、主人公がクルージン
グツアーに参加してしまうところ。

結果的には再び殺人が起きることになるのだが・・・。

味方は親友だけで敵ばかり。まして犯人さえもいるかも知れな
い危険なツアーに、警察に連絡もしないでヒョイヒョイついて
行くか、普通・・・。

どうも殺人の舞台設定やその後の展開を劇的に変えるための、
苦肉の策なようでその強引さが気になって仕方がない。

さらに、良く知らない恋人のためにしては、いささか熱心すぎ
る主人公の行動。

殺害の動機も連続殺人を犯すほど説得力に欠ける。

二度殺されたというあたりもこじつけっぽい。
水泳が得意なら泳いで帰って来れたのではと突っ込みたくなる。

と、批判ばかりしてしまったが、これもスリリングなストーリー、
二転三転する謎解きの巧妙さがあればこそ。

氏の初期の作品ということでそこはご愛敬。