分祀の意味 | 忘れないようにメモメモ(日本の歴史、近代史)

分祀の意味

さきたま抄

引用ーー

 靖国神社問題がクローズアップされている。終戦直後から問題にされ、浮いては沈み、浮いては沈みしてきたが、小泉首相の参拝から端を発し、外交問題となり、かつてないほどの論争となっている▼これまでは、総理をはじめ公人が靖国を参拝するかしないかが大きな問題だったが、現在はA級戦犯を靖国から切り離す「分祀」の是非が争点になっているようだ。特に昭和天皇の発言を記したとされる元宮内庁長官のメモが公表されてからは一層、議論が活発だ▼そこで素朴な疑問。そもそも一度祭った御霊をAからBへ移すことなど可能なのだろうか。遺骨など物理的なものならともかく、「御霊」という極めて精神的なものをいったいどうやって移すのだろうか▼神社本庁に聞いてみた。「一度祭った御霊を別の場所に移すなどということはありえない。分祀とはそもそも、移すのではなく分けること。ロウソクの火に例えると分かりやすい。火を分けて何本にもともしていく。それが分祀です」との答え▼つまり、一度祭ったA級戦犯の分祀など不可能であり、分祀議論そのものが的外れもはなはだしいというわけだ。だとすれば政府の今後の対応も限定されてくるのでは▼いずれにしても国のために命を落とした人々に対して純粋に哀悼をささげに行ったつもりが、後ろ指をさされる。そんな異常な事態だけはなくしてほしいものだ。

- 2006年8月4日付本紙ーー

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こういうことをもっとちゃんと伝えてくれないと。テレビも。