マッカーサーライン4 | 忘れないようにメモメモ(日本の歴史、近代史)

マッカーサーライン4

(9)平和条約の第九条には「二本は公海における漁業資源の確保のため、また自国の漁業活動を制限するため、連合国と速やかに協議に入る」と記してある。
 日本が独立国になったのが四月二十八日だ。その日から「速やかに協議に入る」はずなのだが、協議はすでに五ヶ月前に終わっており、北太平洋での日本の鮭漁は禁止されていた。
鮭条約には日本が公海で鮭を捕る権利を「自主的に放棄する」と書いてある。
(10)五月九日、独立国日本はアメリカとカナダ政府の高官と鮭漁の網元たちを東京に招き、すでにでき上げっていた「鮭条約」に署名した。
「アラスカ半島でイクラ造り」の美しい話が、これからもっと暗くなる。戦後日本の屈辱は続く。
 公海である北太平洋のどこで日本は鮭漁をしてはいけないのか。太平洋をタテ半分に割っている百八十度の日付変更線から五度アメリカよりの、西経百七十五度からアラスカ、カナダ、米国西海岸までの広大な海域にわたって日本鮭漁船は入ってはいけないのだ。北太平洋の半分が米国の鮭養殖地である。この「合意」が今でも続いている。日本に対してだけである。
 アメリカがなぜ北太平洋のど真ん中まで鮭独占領域を広げたのか。理由は、簡単かつ野蛮。当時の科学的調査によると、米大陸の河で生まれた鮭も日付変更線のあたりまで回遊する。
「米国鮭」と「アジア鮭」が公海の北太平洋の真ん中で混浴する。日本は「アジア鮭」を捕ってもよいが、「米国鮭はダメ。鮭は、アジア生まれもアメリカ生まれも同じ顔をしており、同じ体つきで、同じ色だ。区別できない。
くだらない冗談を言っているようだが、真剣な話。
 アメリカは、本気で「米鮭特別扱い論」を日本に押し付けてきた。すなわち、日本の鮭漁船がアジア鮭を捕りに北太平洋に入ってきたら「米国鮭」も捕れるので、日本は鮭を盗んでいる、と言う発想だ。だから、最初から「入ってはいけない」のである。
 こんな横暴が通ったのは、戦勝国が(官軍)が日本(賊軍)を占領していたからだ。歴史的な偏見「日本は鮭泥棒」も背景にあった。長年続いている日本人に対する偏見、人種差別のため、私がアラスカの鮭缶詰工場で働いた二度目の夏、鮭が戻ってこなかった大不漁の夏、漁師たちは「日本が北太平洋で密漁しているからだ」と怒り狂ったのだ。米国が北太平洋の自国だけの「釣り池」として使用し、世界の水産大国、日本の船を追い出しても良いという国際条約は、戦後の日米関係を克明に映し出している。

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 この本はすごく好きな本です。おすすめです。
 なんというか、戦争に負けると言うことはこういうことなんでしょう。アメリカも韓国と似たようなことをやっていたんですな。やはりあの時代は弱肉強食です。日米戦争自体シナ大陸にアメリカが食い込んでいくためにした戦争だもの。アメリカ大陸はもう全部俺らのもんになっちまった。次だ次!ってことだね。きっと今も本当の所は変わっていないのでしょう。
 日米戦争にアメリカが勝った後、ニューヨークタイムズの社説はこんなことを言っている。「我々ははじめてペリー以来の願望を達した。もはや太平洋に邪魔者はいない。これでアジア大陸の市場と覇権は、我が物になったのだ」。
 しかしその後は歴史の通り。共産国家の誕生。アメリカのおかげで。今まで国民党に援助してきた金がパア。
朝鮮戦争というのは米ソの代理戦争。日清戦争や日露戦争の焼き直し。アメリカほど共産主義拡大に貢献した国はないんじゃないかな。
 
 イヤー許せない。悔しい。あめりかっつーのは強欲だなあ。自分がアメリカに対して一番許せないことは戦中のことではありません。原爆の使い方・空襲等民間人の大量虐殺はもちろん許せませんが、日本が負けた後、占領軍がやった日本を内部から破壊するような卑劣な手を使ったことです。今回メモったマッカーサーラインや、WGIPや、占領下での主権回復前の憲法改正など、日本の将来にわたって影響するような事柄をやられたことです。書いててむかついてきました。よし、おわり。