彼女はこう言った

「人生は一度きりだから」と


僕はこう返す


「一度きりだから」と言えるのは恵まれているからだ、と

或いは無神経なだけだ、と



いくら望んだって


環境が

運命が


許さないこともあるから


繋ぎ止めるから




だから


持てる物だけが


或いは環境も運命も無視できる物だけが



その言葉を許される




にゃあ



「まぁ、所詮戯言なんだろうけどね」
例えば彼女はこう言ったとする

「恋は唐突」と


そうして僕は漠然と思う


あぁ、僕にはきっとその「唐突」は来ないんだろうな、と




ひとつひとつ拾い上げて


それにひとつひとつ蓋をする



そうして曖昧に笑っていられるようになった



そして自分を認められなくなった


唐突だろうと自分は認めない



だから決して「唐突」は来ない、と



考えたわけでございます





にゃあ
一瞬一瞬を正確に切り刻み


人々もその枠に収まって


世界さえも等間隔に分けられて


そのスペースの中でしか生きられなくて


むしろその感覚に世界は操られていて



だから今更それを繋ぎ合わせることもできなくて


原初に立ち返ることもできないで


今日も明日も明後日も


針の動きに囚われて生き逝くのでしょう





猫だって、逃げられない




にゃあ