ある日、白衣を着た女性が病室に来られた。
自己紹介されたその方は、心理士の〇〇です、今大丈夫ですか、と。
とても、とても綺麗な方だ。
ハッとするような一点の曇りも無いような女性だ。
年齢は20代にも見えるし、落ち着きがあるので30代か。
心理士という職業はどういう役割なのか。
もちろん自分は心理士という職業の方と話すのは初めてだ。
自分の心を解き放ってくれるのか、一瞬で期待していまった。

調子はいかがですか、ちょっと少しだけお話いいですか、と、とても優しく柔らかく話しかけられた。
この病院に入院する流れや状況を聞かれ、一通り話し説明した。
自分の気持ちを織り交ぜながら。
今思うと状況などは自分の記録に載っているのだろうが、患者本人の口から話す、聞くが鉄則なのだろう。
心理士さんは熱心に耳を傾けてくれ、自分の状況に同情してくれた。
それは大変でしたね、不安も大きかったでしょう、と。
患者が話しやすいように、話せるように上手に導いてくれる感じだ。
話下手な自分には、とても話しやすいヒアリングだ。
聞いている分には特別なテクニックがあるようには全く感じられない。
一体なんなんだろう。
思ったことがスラスラ口から出てきて色々と話してしまった。
心理士さんの丁寧な質問に自分も丁寧に応えようと、つくっている自分も存在した。
それほど上手に導いてくれる話術だった。
いや、話術というものを全く感じさせない雰囲気だった。
もしかして、心理士ということで自分が勝手に心を開いたのか。
なんにしても、その方にとても信頼をしたのは間違いない。
雑談にも楽しく応じてくれ、会話の流れから住まいは自分の住んでいる町内と同じだという事も知った。
お子さんも男の子が二人おり、この春中学生になるそうだ。
それなら30代のはずかな。
意外に存在を近くに感じ、おかげで楽しく話せ、勝手に親近感を抱いた。
とても楽しく話せた15分ほどの時間はあっという間に過ぎた。
また伺ってもいいですか、と尋ねられ、もちろんです、と即答した。
にこやかにしている時の笑顔にはあどけなさもあり、真剣な表情の真顔は、つい色々話してしまった。

肩書きも大事だと痛感した。
自分は勝手にカウンセリングを受けたと思い込んでしまい、妙に安心出来た。
それは話の楽しさだけではなく、あの方が心理士という肩書きという事で、それだけで安心し満足出来た。
自分はこの病院の色んなスタッフの方々に関わり、支えられていると。
またお話し出来る日が楽しみだ。