去る約3ヶ月前の3月、自分の所属しているバンドメンバーから自分宛に約1年半ぶりにメッセージが入っていた。
実は自分が入院し手術を受ける前の秋のバンド練習を最後に、自然消滅のようなかたちで連絡も取り合わなくなり、バンド活動もフェードアウトしていた。
それまでの流れで、行き詰まり感というかマンネリ感というか、メンバー全員が口には出さなくとも感じていたはずの気持ちだと思っている。
自分が入院中も、バンドのグループでのメッセージのやり取りは誰も無かった。
自分は病室のベッドでスティックを振り、消えかけたバンドのことを考えながら、また復帰できるようにとリハビリの名目で励んでいた。
メンバーの誰にも伝える事なく手術に臨んだのは、術後2週間程度で退院出来る、と聞いていたからという理由にした。
そんなある日、冒頭のメンバーから自分宛にメッセージが入った。
このメンバーからの連絡は、自分が退院した3月の19日の丁度丸1年になる、その日だった。
自分は勝手に運命めいたものを感じ、あとのやり取りで、このことをメンバーに伝えずにはいられなかった。
読むと、体調を崩し入院していたらしく、本調子に戻らないという。
この内容に自分もこれまでの経緯と今の状況を簡単に伝えた。
心臓が悪い事は最後の練習の時にバンドメンバー全員に話していたが、まさかその後、手術をすることになるとは自分も思いもしなかったので、メンバーも大変驚いていた。
しかも脳梗塞に、後遺症のオマケが付いた。
お互いの入院を知り、文字だけのやり取りは、送信、即既読の応酬で、数十分盛り上がった。
自分は、以前のようにもうドラムは叩けないかも、と伝えると、残念がってくれて、活動の無い自分たちのバンドを懐かしんだ。
このやり取りで二人の状況や気持ちを確認するように、さては探るように、それでも確信には触れず文字だけの会話を終わらせた。
妻にもこのことを話すと、またやりたいんでしょバンド、と。
それは自分のこと、元メンバーのこと、2人のことを言ったのだろう。
そして2ヶ月前の4月、グループのやり取りをふと見返すと、冒頭のメンバーがグループから、そっと抜けているのに気づいた。
それはグループのバンドメンバーの誰にも告げる事なく、消えるように退会していたのだ。
あーこれで本当にこのバンドは解散か、と確信するものだった。
自分はこんなフェードアウトしていくバンドとメンバーをため息混じりに憂いた。
残りのメンバーに入院や手術の事を伝えることもなく、時が過ぎていった
その去ったメンバーはベース担当だった。
そしてつい先日、ボーカルからグループにメッセージを上げた。
元ベースがグループから抜けている事に気付いたと。
びっくりしながら、さらにバンド再開の提案をメンバーに投げかけ、今の状況や心境を尋ねてきたのだった。
ボーカルの悲しくもあり、でもまたこのメンバーでやっていきたいという熱い気持ちのメッセージが込められていた。
自分は即メッセージを返した。
それは、ごく簡単に自分のこれまでの経緯と、それでも出来るかどうかわからないけど続けていきたい気持ちを素直に込めた。
ギター担当も加わり、何度も何度もやり取りを繰り返し、3人のバンド再開を望む気持ちを確認した。
そしてボーカルはベースに連絡を取り、復帰するようお願いしてみると言ってくれた。