いよいよ、めまい専門外来へ初めて行く日だ。
脳神経内科外科の主治医から紹介状を書いてもらっている。
初めて行く病院で、数年前にめまい専門の外来が出来たらしい。
今回も妻と一緒について来てもらった。

待合は人で溢れ、ごった返している。
座れずに立っている人も居る。
初めての受付でスタッフに紹介状を渡した。
ひしめき合う中、妻と二人でなんとか座れた。
クラクラする。
この空間で、大勢の人が居る所は、特にめまいが酷くなる。
子どもから初老の方まで、全体的に賑わっている待合だ。

暫く待っていると、スタッフの女性が自分の名前を呼びながら探しに来た。
はい、と返事をして話をされた。
この問診に記入して受付に渡してください、ちょっと多いですが質問には直感でいいので記入してください、と8枚くらいの問診票を渡された。
うわっ本当に多いな、多くの質問が並べられている。
ざわめきの中、早速とりかかった。
初めは自分で読みながら答えていこうとしたが、視野の欠けにより、読む速度が遅い遅い。
スラスラとはとても読む事が出来ない。
これではめちゃ時間がかかるな、と思っていると、読んであげるから答えて、と妻が問診票を手にとってくれ、読み上げてくれた。

質問には0から10段階で自覚する症状の有無、程度を答える内容のようだ。
言われたように次々と繰り出される質問に答えていき、妻が記入してくれた。
おかげでスムーズに問診は進んだ。
いくつか、うーんどうだろう、と考えるような質問もあったが、出来るだけ素直に直感で答えるようにした。
質問が多すぎて、ほとんど内容を記憶していないが、めまいについての原因が何であるかを絞る為の質問だろうという事は解った。
自分一人で読んで答えていくと、一体何倍の時間がかかっただろうか。
全問に答え受付に提出した。

暫くして中待合で待つよう、自分の名前が呼ばれた。
中で待っているとスタッフがやって来て、これからいくつもの検査をしていくのでお手洗いは大丈夫かを尋ねられた。
そんなに長くかかるいくつもの検査に期待と不安が交差した。
そして検査が始まった。
自分一人に最初から最後まで同じスタッフがついて検査してくれた。
10種類以上の検査をしただろうか。
様々な機器を使い、アナログ的な検査やデジタルな検査、とても正確には思い出せない種類の検査だった。
そして診察室の前で待つよう指示された。

ここがめまい専門の診察室だ。
自分の前には2名、年配の方、若い方が居た。
この人たちも、めまいで悩まされているのか、何が原因なんだろうかと考えてしまった。
自分もそうだろうが、見た目には他者からはなんにも判らない。
めまいで苦しんでいる自分が見ても全く判らない。
診察に呼ばれて立ち上がり、ドアを開け歩いて入っていく姿は、全く健康そうに見えてしまう。
めまいの程度はどうなんだろう。
自分も目がクラクラするが、体はクラクラしない。
たまによろける事はあるかな。
同じような感じなのだろうか。

そしてやっと自分の診察の番だ。
名前を呼ばれ診察室に入った。
挨拶を済ませ、医師からは最後の検査をすると言われ、何やら特殊なゴーグルのようなものを装着された。
ゴーグルのうようだが、前にテレビで観た事があるような気がする。 
視線の先には赤い光が見え、レーザーポインタのような動きをしている。
次はまた別のコーグルのようなものを装着した。
看護士さんに手を借りながら顔にフィットするように着けた。
一見VRゴーグルのようだが中に映像は映っていない。
医師からは自分の背後にあるモニタを観るように指示された。
向きを変えるとモニタは50インチくらいはあったか、画面に右から左へ流れる白黒の連続した太い破線が流れている。
頭は動かさず観るように言われ、ゴーグル越しにモニタを観た。
自分はこれを眼を固定して一点を観ればいいのか、流れを追うのかが分からなかったが、自分は流れを追ってみた。
ギリギリ眼で追えるスピードだ。
1分以上は見続けただろうか、大変長く感じ、少々眼が疲れた。
はい、じゃもう1回観てください、と医師から言われた。
観ると今度は眼で追えないくらいの速さで流れている。
同じ単純な太い破線だが、正しく捉えられない。
やはり動きの早いものは難しいのは、以前から訴えていることで変わらない。
たとえ眼が動きを追えても、その画像を処理する脳が追いついていない感覚なのだ。
この検査は更に疲れた。
2分くらいは観続けただろうか、えらく長く感じた。

以上で検査は終わりのようだ。
診察室での検査は医師が直接診る必要があったのだろう。
医師が何やら紙を出して自分に渡して来た。
医師は言う、恐らく〇〇さんのめまいは、これだと思います。