先日妻と出かけた際、妻が、卓球しに行こう、と誘ってきた。
自分の視野、四分盲の事をどの程度のものなのか知りたかったのだろう。
もちろん診察で欠けの範囲は知っているが、それが卓球をすると、どのくらい支障があるのか。
あの小さなボールが自分に向かってくる動きを捉えられる事ができるのか。

市内の施設に早速行ってみた。
平日の昼間だったので人があまり居ない。
プレイを申し込むとすぐにエントリーされて卓球の場所へ移動した。
平日にうろついて遊ぶのも、すっかり慣れてやめられなくなってきた。
いいな平日。
この時はまだ復職が決まっていない時だったので、何も考えていなかったが、今思えば改めて貴重な日々、時間だった。
妻とこうして平日遊べる事も本当に貴重だ。
現役世代では、なかなか経験できない過ごし方をしている。

ネットをくぐり抜け卓球台に来た。
すぐに始まった。
卓球は本当に手軽で負担も少なく、私服のまま気軽に出来て手軽にプレイ出来るところがいい。
ガチではなく出来るスポーツが好きだ。
因みに2人とも卓球は遊びでしかやったことがない。
素人の卓球が始まった。
サーブとは言えないが、1打目、空振りせずに打てた。
妻のリターンが来たのでボールを見てラケットを後ろに引いた。
フワリとした軌道のボールとはいえ、今の自分には十分早い。
ラケットを前に出して見事にラケットに当てられた。
そして返せた。
いきなり3往復くらいのラリーが続いた。
出来るじゃん、と喜ぶ妻。
うーん、見えてない事はないな、打ててるもんな、でもやっぱ見えにくいよ。
そう言いながら笑顔で撃ち合いが出来た。
やってみるもんだな、出来ない、出来ないと言うばかりじゃダメだな。

やっていくうちに試合してみよう、となり、15点先取で始まった。
とても試合とは言えない内容だが、ワイワイ言いながら楽しく出来た事が良かった。
結果は覚えていない。
全く出来なくて落ち込むかなと思っていたが、想像以上に出来た事に安堵した。
妻も自分と同じ気持ちだっただろう。

見え方は、もちろんこれまでと同じだ。
相手が打ってくるボールが、自分に対して放射状に跳ねながら向かってくる。
ボールの動きが早く、視野の欠けに出入りしている瞬間があるかどうかもはっきりとは判らない。
言えるのは、見えない何かがある、というのは間違いない。
あとはコマ送りの映像を早送りで見ているようで、とてもスムーズとは言えない。
ボールの距離感を掴むのがとても難しい。
感じた見えにくさは以上だが、どれも目新しい事象はない。

なにはともあれ、卓球が楽しめた事はとても良かった。