約2ヶ月振りの循環器の病院の診察。
以前から気になっていた脈の乱れ、咳について先生に尋ねたい。
脈の乱れは続いており、原因は母の認知症による言動が影響していると思っている。
咳については全く検討がつかない。
もしかして、僧帽弁の手術後の経過が悪く、血液の逆流で肺に血が溜まり、その影響で咳が出ているのではと勝手に想像してしまっていた。
実際、手術前は肺に血が溜まり始めていたという。
でもそれでは喉の痒みは全く説明がつかないが。
今回も診察の順は2人目か。
院長である主治医の声で自分の名が呼ばれた。
妻と診察室に入ると、自分の動きの様子を観察するかのように見られた気がした。
すると、前よりちょっと良くなったみたいですね、と主治医。
前回の様子を記憶されているのは凄いと思った。
多くの患者さんを抱えているはずの院長が、自分の事を記憶してくれているというのは救いだ。
術後、脳梗塞と分かり、そんな自分を忘れ去られてしまうのではないかと不安だった。
良くも悪くも、自分の事は忘れず、ずっと主治医に診て欲しいと思っている。
最近はそんなふうに考えるようになっていた。
主治医から近況を尋ねられ、クルマの運転再開と復職を目指して動いている事を伝えた。
あとは気になっている脈の乱れを自覚している事を話すと、主治医は確信しているかのように、大丈夫、と言ってくれた。
でも自分は、心エコーをちょっとでもいいので検査してもらえませんか、と遠慮気味にお願いすると主治医は、ちょっとなんてそんな検査はしませんよ。しっかり検査しますよ、と言ってくれた。
急な心エコー検査の予定を入れる事になるので、午後とかなり待つ必要があり、検査結果も次週になるが、急遽診察予定を入れてもらえた。
こんな自分だから融通がきいたのか分からない。
でも、自分も不安だらけだ。
手術前のあの辛く不安なのは、もうこりごりだ。
あともう一つ、咳が続くんですけど、と訴えた。
すると主治医は、いい内科を紹介しますよ、とマジ顔になった。
自分は心臓の影響で咳が出ているのではないかと訴えたかったが、それが言えなかった。
主治医のマジ顔で、しまった、言い方が悪かった、と思ってしまった。
循環器の病院で院長に対して、結果的に咳が続いているだけを伝えてしまった。
ここをどこだと思っているのか、私を誰だと思っているのかね、と怒りを買ってしまったか。
でも主治医は表情を変える事なく、さらっと診察を終えた。
退室し、この日の午後、心エコーの予定を入れてもらい、予定時間をスタッフさんから伝えられた。
心エコー検査までかなり時間がある。
一旦出て、昼食と、他の用事も済ませよう。