いよいよ今日は外来リハビリへ行って、産業保健総合支援センターの方との面談だ。
一体、どんな話になるのだろう。
いつもの時間、妻と一緒に脳神経外科内科の病院へ向かい、予定通りの時間にリハビリ室に行った。
いつものように待合で待っていると自分を呼ぶ声が。
いつものように診察室に呼ばれ入ると、そこに女性が居た。
さんぽセンターの〇〇と申します、今日は宜しくお願いします、と自己紹介され、自分も同じように挨拶した。
診察室の中には産業保健総合支援センターの方、外来担当の作業療法士さん、妻と自分の4人だ。
診察室とは言っても、ガッツリ診察する為の部屋ではなく、リハビリ前の形式的な診察をする為にある小部屋で、ちょっとした話をする場合でも使用される部屋だ。
PCもあり、患者の情報もここで閲覧する事が可能だ。
名刺を渡され、産業保健総合支援センターの方は簡単に支援の説明をされた。
自分は話を聞きながら名刺の裏面に目をやった。
そこには数多くの資格を持っている事が分かる名称が記載されていた。
看護師に保健師にその他多数。
凄くデキる方だとすぐに心得た。
話し方もキッチリしていて、隙が無い感じの方だ。
そして、これまでの経緯を教えてもらっていいですか、と自分に話を振られた。
自分は、僧帽弁閉鎖不全症といいう心臓の病気から〇〇病院で心臓の手術をしてもらい・・・・と日時も一緒に、ここまでに至った経緯を話した。
産業保健総合支援センターの方は、とても詳しく教えていただきありがとうございます、と言ってくれた。
そして、産業保健総合支援センターの資料一式を渡された。
冊子やリーフレット、パンフレット等、封筒に入っている。
その資料に沿って支援の内容を説明された。
脳卒中の方だけでなく、がんを患った方の支援も行なっていると。
さらに踏み込んで詳しく聞かれ、答えられる全てを話した。
勤め先や仕事の事も当然聞かれ、自分に対する経営側の言動についてザックリ話した。
勤め先については、この場に居ない者についての話なので、自分の一方的な意見にならないように配慮したつもりだ。
自分が勝手に都合よく相手を悪く言っているようにならないよう、自分を正当化するような話にならないように気を付けたつもりだ。
産業保健総合支援センターの方もその辺はプロなので十分承知して聞いてくれているだろうが。
説明では、まず本人が直接会社に連絡を取り、経営者と会って復職の意思を伝えるところから始めていくとの事だ。
まずは自分が動き、相手に意思を伝えなければスタートしないのだ。
そこで復職支援の話をして、会社から産業保健総合支援センターへ連絡をしてもらうようお願いするという。
今日提供してもらったこの資料を渡して、会社と病院の双方が病気や後遺症の状態、気になる事、配慮すべき事等ををやりとり出来るようにして復職に向けて支障が無いようにしていく流れのようだ。
会社と病院の間に入り、第三者的な立場で支援していくとの事だ。
やり取りする書類で記入する内容は手書きでもいいし、サイトからダウンロードして打ち込んでもいいと、壁を低くした方がいいようだ。
この一連の話を会社は果たして受け入れてくれるのだろうか。
そもそも会社は復帰を望んではいないかもしれない。
このやりとりを聞き入れてもらえないのではないか。
そう思える内容だった。
あと自分で希望している事を尋ねてみた。
自分の役職を取って欲しいとお願いしたいんですけど、と。
これまで理不尽な事を言われ、心身を削る思いだったので、以前に一度会社に同じ事を言った事があったが、この時は却下されていた。
その後も、事あるごとに不当な扱いをされていたので、これを機に希望を話してみた。
給与は下がってしまうが、心身をやられるよりはマシだ。
産業保健総合支援センターの方は、うーん、そのままでいいんじゃないですか、気にしなくて、そのまま置いておけばいいと思いますよ、と楽観的に答えられた。
給与が下がってしまう事を避ける狙いがあるようだった。
自分も同じように楽観的に、そうですか、と。
会社に行く手段を聞かれ、つい先日運転再開の許可をもらったので自分のクルマで行きます、しばらく運転してないし、視野が欠けてよく見えないんで不安なんですけど、と答えると、じゃ何回か練習で行ってみた方がいいですね、とアドバイスをしてくれた。
こうして産業保健総合支援センターの方との面談を終えて荷物を片付けていると、産業保健総合支援センターの方が手にしていたアルフォンス・ミュシャの絵が入ったポーチが見え、ミュシャですね、自分も好きなんですよ、スマホの待受にもしています、と伝えると、笑顔で話を展開してくれた。
とても未来志向の話で、今日のお礼を伝え解散となった。
復職に向けての第一歩だ。
脳梗塞になってから、仕事は勝手に諦めたが、妻や病院、産業保健総合支援センターの方のおかげで、前進する事ができた。
どういう結果になるかは全く分からないが、やるだけやってみようと思えた。
子どもたちの進学もあるし。