運転再開の為、自動車学校に行く日が近づいてきた。
自分では、この視野で、この見え方で本当に運転してもいいのだろうか、と思ってしまうほど不安だ。
これを人に言えば、そんな状態で運転とはいかがなものか、と思われないだろうか。
この気持ちは脳神経内科外科の主治医にも少しだけ伝えた。
あまり強く言うと、再開出来なくなるのも怖い。
かと言って人を巻き込んでしまうような事故を起こさないか、と希望と不安が渦巻いていた。
これはドライブシミュレータを始めた時からずっとある気持ちだ。

そんな気持ちでいるが、妻は自分を妻の車で少し運転の練習をしようと連れ出してくれた。
向かったのはクルマがほとんど無いショッピングセンターの駐車場だ。
自宅から10分ほどの所にある駐車場は、大きな空き店舗の前のスペースはガラガラだ。
今自分は公道を走る訳にはいかないので、せめて駐車の練習くらいはとの事だった。
駐車場でも事故を起こせば非常にマズいのだが。

駐車場まで妻の運転で目的地に着いた。
じゃ、やってみよう。
お互いドアを開け席を入れ替わる。
4ヶ月振りの運転だ。
最近のニュースのように急発進してぶつけないように気をつけよう。
まずは駐車スペースから別の駐車スペースへの移動だ。
前向きで移動し、前向きでスペースに停める。
自分の視野に半信半疑な状態で恐る恐るゆっくりとクルマを動かした。
駐車スペースの白線と自車が平行かどうかが分かりにくい。
これも視野の影響だろう。
とても見えづらいが、OKよと妻。
じゃ次はバックで、と指示され目標のスペースを指示された。
後ろを振り向く動作に視野がグワンとして辛い。
自分が恐れていた事だった。
これが混雑した駐車場ならパニックになりそうだ。
とても平常ではいられない。
追い詰められそうだ。
でもここは誰も居ない、自分達だけだ。
安心して練習を繰り返した。
思っていた以上に妻の反応は良い。
まぁまぁ出来てるよ、と妻。
意外にイケるのかな。

30分くらいは練習出来たか。
本当にガランとした駐車場にクルマを停めるだけの練習だったが、これが周りにクルマがあればどうだったのだろう。
今回は出来たように感じても、実際の運転では、やはり自信が持てなかった。
注意しなければいけない対象物や人が全く無いのは、視野の欠けにもどれだけ影響したのか自分でもよく分からなかった。
本番まで日数が無いが、これでいけるのか。