診察の終盤に院長先生である主治医から、手術はいつにしますか?と。
とりあえず緊急性はない診断なので余裕をもった感じだ。
この病院にこの先生となれば、こんな手術は日常なのだろう。
百戦錬磨の平然と淡々とした話し方である。
急いですぐに処置しなければというものではない。
先生がスケジュール帳を取り出し、直近1ヶ月くらいは予定がほぼ埋まっている。
なるほど、デキる人は予定をデジタルで管理せず、手書きのスケジュール帳に書いていると聞いたことがある。
先生のそれは綺麗ではないが予定が埋まっているところが勝手に信頼度を上げた。
まだ予定に余裕がある2ヶ月位先はいかがかと問うと、すんなり予定日が決定した。
まだ2回しか会っていないこの先生に命を預ける日を決定したのだ。
やはり自分事とは思えないのは変わらない。
補足で先生は、こういう病院なので救急で運ばれる患者さんが居て、緊急手術の影響で予定が1日2日遅れる事がある。
こういう季節なので結構頻繁に運ばれて来る。ま、その場合は人助けだと思って待ってください、と。
穏やかに、すごく落ち着いた様子で語るように話す先生。
今は11月、手術予定日は1月だ。
冬は心臓疾患のある方にとっては辛い季節だ。
救急車のサイレンも暖かい季節とは比べものにならないくらい街を響かせる。
自分は緊急手術にならないように先手を打つのだ。
診察を終え、続いて手術に関する入院手続きがあるので担当の部署の部屋へ。
ここでも担当者がいつもの業務なのだろう、とても事務的に説明や手続きを進める。
支払い方法や入院時のセット料金、持ち物リスト、病院規約、同意書等、いかにも日常だ。
自分は手術になりショックを受け、それを受け止めれずにいるのに励ましの言葉も言ってくれない。
当然か。この人たちはこれが日々の業務だ。
自分が甘えているだけである。
一通り説明を受け正式にこの病院での自分の予定が刻まれた。
このフロアの上の階には手術室がありICU、一般病棟があるのだ。
ここで自分は元気に復活するのだ、言い聞かせ病院をあとにした。