車から機材を下ろす。

死体を包むための厚手のビニール袋、縛るためのロープ、わなを緩めるために使うペンチ、それと・・

瞬間 - 一発の銃声

皆は動きを止め、ゆっくりとスローモーションで後ろを振り返る

百メートルほど離れたところで、ハンターと獲物-雄鹿-が対峙していた

鹿は巨躯を揺らしながら、懸命に逃げようともがく

わなにかかり、ワイヤーで締め上げられた左前脚は、それを許さない

それでも、その折れた脚を介することなく、鹿は血を流しながら踊る

続いて、銃声がもう一発


仕事とはいえ、目の前で野生動物の命が奪われるのを見るのは、気持ちの良いものではないな。

ハンター、そんな渋い顔をしないでくれ。

確かに、こちらは無償でやってくれとお願いしている側だから、何も文句は言えないが。

森の住人、サイアス=バインも、同じような気持ちだったのだろうか?


鹿は、尚も暴れもがく

既に2発の銃弾がケモノの頭と首を貫いているはずだが、そんな事実を無視するように、文字通り必死に脱出を試みる

なまじ、生命力の強い野生生物なだけに、こんなときは、逆に可哀相だ

仕方ない

そう呟きながら、ハンターは更に近付き、ケモノの胸-心臓に狙いを定め、最後の引き金を引いた・・・