1.納税義務者


☆国内取引の納税義務者のポイント


①事業者

②国内において行った課税資産の譲渡等


事業者が、国内において課税資産の譲渡等を行えば、納税義務があるという意味。

つまり、国内取引については、消費者は納税義務がない。



☆輸入取引の納税義務者


①外国貨物を保税地域から引き取る者

②課税貨物



外国貨物を保税地域から引き取った者であれば、事業者だけでなく、消費者も納税義務がある。

つまり、輸入取引については、課税貨物を引き取る者は誰であっても納税義務があることになる。




2.小規模事業者に係る納税義務の免除のポイント


①事業者のうち

②基準期間における課税売上高が1千万円以下である者

③原則にかかわらず

④納税義務を免除

⑤別段の定めがある場合




①対象が「事業者」であるため、国内取引のみを指している。

②小規模零細企業については、納税事務負担や税務執行面に配慮

③原則、国内取引については、事業者で、国内における課税資産の譲渡等を行えば納税義務者となるが、1千万円以下は、免除

④③と同じ

⑤しかし、例外もある。





3.課税事業者の選択


(1)選択の届出及び効力


①適用対象者

免税事業者


②提出すべき届出書

課税事業者選択届出書


③提出先

納税地の所轄税務署長


④適用要件

・課税事業者選択届出書の提出

・基準期間における課税売上高が1千万円以下


⑤取扱い

提出日の属する課税期間の翌課税期間以後は課税事業者となる。



☆ただし書き


課税事業者選択届出書の効力は、提出課税期間の翌課税期間以後であるが、提出日の属する課税期間が事業を開始した課税期間その他の一定の課税期間である場合には、提出日の属する課税期間以後に届出の効力が生ずる。


※会社設立1期目に課税事業者を選択する場合、1期目と2期目を選択することができる(その際に適用課税期間のところに適用した課税期間の期間を記載する。)



☆なお書き


基準期間における課税売上高が1千万円超の場合には、課税事業者選択届出の効力が生じなくても、1千万円判定のところで課税事業者となるため、この規定は適用されない。




(2)選択不適用の届出及び効力


①届出書の提出



課税事業者を選択している事業者で、不適用届出書を提出した場合には、その提出課税期間の翌課税期間より不適用となり、基準期間判定で1千万円以下の事業者は、免税事業者となる。



②届出の制限




不適用届出書を提出したくても、課税事業者の選択が適用されることとなった課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、不適用届出書を提出できない。



従って、開業、会社設立したばかりに、課税事業者を選択し、設備投資分の還付を受けようとする際には、2期目にどれくらい納付税額が出てくるかを意識して選択した方がいい。




③届出の効力


不適用届出書を提出した事業者は、その提出日の属する課税期間の末日の翌日以後は、効力失効する。





(3)届出に関する特例


課税事業者を選択しようとしていたが、災害等のやむを得ない事情があるため、課税事業者選択届出書を適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに提出できなかった場合には、その事情がやんだ日から2月以内に課税事業者選択(不適用)届出に係る特例承認申請書を税務署長に提出し、その承認を受けることで、受けようとする課税期間の初日の前日に提出した者とみなす規定である。




☆ポイント


①翌課税期間に、課税事業者を選択したい

②災害その他やむを得ない事情がある

③②の理由により、課税事業者選択届出書を当課税期間の末日までに提出できなかった。

④やむをえない事情がやんだ日から2月以内に課税事業者選択(不適用)届出に係る特例承認申請書を税務署長に提出

⑤税務署長の承認を受ける

⑥当課税期間の末日に提出したとみなす



4.一定の課税期間


(1)国内において課税資産の譲渡等に係る事業を開始した課税期間


①法人設立課税期間

②個人事業者の開業した課税期間

③非課税資産のみを行っていた社会福祉法人が新たに国内において課税資産の譲渡等を開始した課税期間

④国外取引ばかりのみを行っていた法人が当課税期間より国内において課税資産の譲渡等を始めた場合

⑤2年以上、課税資産の譲渡等がなかった事業者が再開した場合




☆新設合併、分割等は、新たに法人を設立することになるため、(1)に該当する。そのため、入っていない。


☆課税事業者選択届出書の効力は、相続、吸収合併、吸収分割による事業承継では、引き継がれないため、そこで、事業を承継した事業者が届出書を提出すれば、提出した課税期間より効力発生することで実質的に届出の効力を引き継がしたことになる。





理論問題:




①輸入取引の納税義務者は、外国貨物を保税地域から引き取る者であり、事業者だけでなく、消費者も納税義務者となる。


②輸入取引の納税義務者は、外国貨物を保税地域から引き取る者であり、課税貨物につき納税義務があるため、免税事業者であったとしても納税義務がある。


③課税事業者選択届出書の効力は、提出課税期間の翌課税期間以後の課税期間より生ずるため、適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに提出しなければならない。


④課税事業者選択届出書を提出した事業者は、不適用届出書を提出しない限り、届出の効力は続くため、課税事業者を選択するか否かを自由に決定することは出来ない。


⑤届出に関する特例規定における災害その他やむをえない事情には、課税事業者選択届出書の提出を忘れた場合は該当しないため、届出に関する特例規定は適用されず、課税事業者を選択することは出来ない。


⑥課税事業者選択(不適用)届出に係る特例承認申請書は、やむを得ない事情がやんだ日から2月以内に提出しなければならない。


⑦課税事業者選択(不適用)届出に係る特例承認申請書を提出し、納税地の所轄税務署長の承認を受けなければ、届出に関する特例は適用されない。


⑧基準期間における課税売上とは、基準期間中に国内において行った課税資産の譲渡等の税抜対価の額の合計額から、その基準期間中の売上に係る税抜対価の額の合計額を控除した残額をいうため、非課税売上は含まれない。