六月を、歩き始めました・・・。
庭の紫陽花が、六月の雨に打たれながら彩りを変えてゆきます・・・。
「鮫」が、泳ぎ出しました・・・。
紫陽花の花のようにドラマも、いくつもの色を変えて動き始めてゆきます~。
飛行機のファーストクラスの席・・・静かにワイングラスを、かたむける気品ある男・・・ギルです・・・いえ、
ハン・イスと言う男・・・。
彼が表れるだけで、言葉はなくても全てを感じさせる・・・。
空の碧・・・そして、海の碧・・・空と海の間で、泳ぎ出そうとする・・一歩、一歩と・・・。
彼の向かう道は、広く果てしない…最後に何が待ち受けてるのか・・・。
ゴヌクが、”動”なら、ハン・イスは、”静”・・・。
ハン・イスとチョウ・ヘウの若き日と、現代との2人の時間を、交錯しながら物語は動いてゆきます・・・。
飛行機を降りて、車で疾走する先は、結婚式場・・・幸せを迎えようとする美しい花嫁姿のヘウ・・ヘウをみつめるイスの眼差しは、優しく・・・そして、一瞬にして冷徹な目に豹変してゆく・・・。
みつめられる自分にヘウは、何かに憑かれるように、イスの後を追う・・・顔も全て見知らぬ人に・・・何かを知りたかったの・・・?懐かしさを感じたのか・・・?
バルコニーで、2人の挨拶のような言葉が・・・このイスの途惑いのような優しさ、憎しみ・・の表裏一体の心の動きを魅せる・・・ギルの上手さ・・・。
式場で、イスの妹イヒャンとすれ違う・・・愛しさと見せてはならない姿に、一瞬の心が揺らぐ、あの密やかな細かい演技にも胸が痛くなりました。。。
若き日の2人の愛が繊細で甘く美しいだけに、愛はおぼろげなまま・・・。
ヘウの好きなシャガールの絵、「オルフェウス」「イカルスの墜落」・・・イスとヘウの2人の未来を暗示しているかのようで・・・。
「オルフェウス」は、愛する妻を助けるため命をかけて地獄へと下りた男、この世に戻るまで後の妻を振り返るなと言う約束を破り・・・振り返り、妻を失うと言う・・・。
「イカルスの墜落」は、空を飛ぶため集めた羽を蝋で固めた翼を作ります。飛ぶ時は高く飛ぶなと言うのに、太陽に向かって飛び、蝋がとけて海に落ちる・・・人間の驕りから無理をしてはいけないと言う節でもあるのだけど・・・。
2人の未来をギリシャ神話の悲劇に暗喩されていると・・・。
イスとヘウが、夜空を見ながら話すポラリスのこと、ヘウにとっては、イスは側にいてくれる道しるべ・・・。
イスが好きだと言う鮫の手作りの木彫りのペンダント・・・ヘウは安らかに息が出来る浮き袋をつけてプレゼント。
お互いを思いやる心、凝視する力は、心を揺さぶられるはず・・・。
イスの復讐は、いつか復讐に合う痛みもともなう・・・愛する人さえも傷つける悲劇が待っているのか・・・。
イスと、ヘウの若い2人が、大人達の罪の中で、惑わされ、傷ついてゆくのであれば・・・哀し過ぎます・・・。
2人の周りで、張り巡らされたもつれた糸を解きほぐすのは真実の愛しかありません・・・。
友が言いました。「人の愛は、神のように絶対ではなく、弱いけど、その愛しさ故の行動は、優しく無上のものでは・・・」と・・・。
命をかけた愛、命を捨てるほどの愛、命そのもので叶う愛、奇跡の愛は、人の心を救います。。。
ギルの魅せる強い眼差しと、壊れそうな弱い瞳を持つ悲哀さに、心が震えています・・・。歩く時の美しい脚元、脚の運びにさえ言葉を感じます・・・ハングルがわからぬまま、ギルのハン・イスにのまれています~。
「もう、花の色は 堕ちはじめた なのにまだ 体は熱く
唇に残された言葉 幸せを逃がさない様に そっと閉じ込める
愛しても 愛しつくせやしない 心はすべてを欲しがる
孤独さえ抱きしめて 2人はどこまで苦しむの
きりがない涙 その先にあるもの
君のために信じたいよ 守りたいよ」(FTISLAND「Be loved」)
