京都劇場で『レイディマクベス」鑑賞してきました。

 

 

初めての京都劇場、細長い劇場で階段状で

後ろから4番目のサイド側のお席。

チケット取れたもののS席なのに見えるんかなあ・・・

メガネをかけて、オペラグラスで

役者さんたちの全身をとらえることができ

表情、細やかな動きも堪能できました。

・・・

内容が難しすぎて

グラス越しの目で天海祐希さんのお姿を追い 

耳で内容の深いセリフをとらえようとしましたが

脳ミソがめちゃくちゃ疲れてしまった。

 

 

シェイクスピアの『マクベス』を読んでないので

本当に理解不足だろうけど 

パンフレットを読んで 自分なりにとらえた内容。

 

★夫と妻(マクベスVSレイディ)

愛し合っていた(今も愛し合っている)が

戦いにつかれてしまった夫と 

強くすぐれた夫であってほしいと望む妻。

夫と共に戦いたい 支えたい 理想を求める妻。

権力者である王に従って戦場へ行き 

家へ戻れば妻の思いにこたえようとするが 

壊れてしまう夫。

 

信じあってるんだよ かけがえのない人だよ と

伝わってくる

アダム・クーパーさんと天海さんのダンスの

しなやかな長い指の動きがとても美しかった。

 

★母と娘(レイディVS娘)

能力もあり戦いたいのに 

出産したことで行動できなくなった母。

娘は母を愛してるんだろうが、結構冷静な目で見ている様子。

 

戦場での出産は難産だったんだろう。

 

…私の体を切り裂いてあなたを取り出した。

あなたは自分から生まれてきたくなかったんだ…

 

母の言葉に娘は何を思っただろ。

想像もしなかったショッキングな言葉だったので

娘(吉川愛さん)の反応がうまく聞き取れなくて。

母の幼馴染のバンクォー(要潤さん)に

…私はお母さんに似てる?…と聞くあたり

いじらしかった。

 

★森の王様の物語(娘と母の語り)

北欧の神話にあるという。

森の王様は静かな森の一本の木を愛し 

その木を切って椅子にし腰かけた。

木株の椅子は愛され王様の妻になった。

王の位を継ぐ者が現れて 王様は殺され

位を継いだ新しい王は 女王の木株に腰をおろす。

王は次々殺されてゆくが 

女王である木株は 

女から生まれたもの(つまり人間)には殺されない。

女王の木は枝(木からの霊魂を宿す枝)によって殺される。

 

ダンカン王(栗原英雄さん)に指名されて王位を得た夫が

判断力を失っていくのを許せずに殺し

自分が王位に就く妻。

最後、

女王となり永遠の権力を望む母(妻)レイディを殺したのは 

娘だった。

 

観客側に背を向け、娘に向き合って大きく手を広げた

レイディ。

まるで さあ私を殺しなさい と言ってるようだった。

 

娘は王になりたくてレイディを殺したのではなく

永遠の命を持つ木株(女王)を葬る枝(木株から生まれた)の宿命なのかもしれない。

 

『マクベス』には 

この森の木のお話は出てくるのかな・・・

 

★王位の継承(血筋VS才能への抜擢)(身分VS出自)

優秀な戦士のレイディの出自(生まれ育ち)を知りたがる

王族のマクダフ(鈴木保奈美さん)。

血筋が良くても 能力を求められる王にはなりたくない人。

 

★王(権力者・指揮官)VS一般人

戦場で何度も死にながら 蘇っては王の命令に従って

戦い続けるレノックス(宮下今日子さん)。

 

権力を持たないものは 

指示に従いその日一日を過ごすのが楽な生き方なのかな。

この方女性の設定だが、戦場に妻も赴いているようだ。

 

赤薔薇

パンフレットに

『本当に欲しいものは何ですか?』と

大きな文字で書かれているページがありました。

観る人の経験や感性によってどんな風にも捉えられる

考える機会を与えてくれたお芝居でした。

 

原本の『マクベス』読まなくっちゃ。