本日は前回に引き続き、SST(ソーシャルスキルトレーニング)についてです。

当支援センターでは、医師や心理士を招いてSSTセミナーを行っていますが、その中でこのような質問がよくあります。

『SSTが必要な方の行動特性には、どんなものがありますか?』

という質問です。
そこで本日の講座は、SSTが必要な方の行動特性についてお話いたします。
まずは下記の一覧をご覧ください。


【SSTが必要な方の行動特性】
・知能に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなど
のことが困難な方。
・問いかけられても、すぐに返事ができない方。
・刺激があると、すぐに注意がそれてしまう方。
・集中時間が短い方。
・何でも一番にならないと気がすまない方。
・負けてくると、途中で投げ出してしまう方。
・授業中、勝手に席を立ったり、落ち着きがない子ども。
・ルールがなかなか理解できない方。
・人の話に集中できない方。
・新しい環境に適応するのが苦手な方。
・すぐキレて暴れる方。
・挨拶やお礼の言葉がなかなか言えない方。
・人と視線を合わせられない方。
・喜怒哀楽を表情に表さない方。
・嫌なことがあると、すぐに相手を批判する方。
・場の雰囲気を読み取るのが苦手な方。
・正しいことを押しつけようとして、対人関係が悪くなってしまう方。
・理解力がなく、情報が正確に頭に入らない方。
・抽象的な言い回しを理解しづらい方。
・暗黙の了解や、常識が身についていない方。
・自分の考えや意思を的確に伝えるのが苦手な方。

以上のような点がある方は、SSTを受けた方が良いと言われています。
また以上のような方がSSTを受けると、改善が見られることが多いのも特徴です。

よく当支援センターのクライエントの方から「私がいくら注意しても、この子は直そうと
しないんです……」などという相談を受けます。
多くの親御さんは子どものためを思って正しい指摘をしていると思います。
正しい指摘とは以下のようなものです。

・乱暴したらいけないって言ったでしょ。
・もっとしっかりしなさい。
・これは出来たけど、目的はこれが出来るようになることだから、最後まで頑張ろうね。
・勝手に人の物を取ってはいけないって言っているでしょ。
・人から何か聞かれたら、ちゃんと答えなさいって、何度言わせるの。
・大切なことは遊びの前にやりなさいって言っているでしょ。
・忘れ物をしないように、何度も確認しなさいっていつも言っているでしょ。

このように子どものためを思った指摘やアドバイスをすれば、子どもが行動を変えるのかといえば多くの場合は何も変わりません。

つまり、正しい指摘をしても効果はないのです。

効果が無いということは、方法が適切ではないということになります。
当支援センターのセミナーでもよく話すことですが、正しい指摘でも正しい方法で伝えなければ意味がないのです。

「何で私の言うことが伝わらないのだろう?」
「何度言えば、分かるのだろう?」

と考えたことはありませんか?
それでも子どものためと思い、間違った方法で伝え続けると逆効果になってしまうことが
多くあります。逆効果とは、

・やろうとしても親の指摘通りできないので、自信がなくなり「どうせ自分には無理なんだ」と親に依存的になる。
・親の言うことを聞き流すようになる。
・自信がなくなるため、自分で考え決定できなくなる(実行力がなくなる)。
・反抗的な行動にでる(家庭内暴力・非行)。

このように、子どもに良くなってほしい、直してほしい、向上してほしいと思っているのに
逆効果になってしまうことがあります。

その場合は、伝え方を変えなければなりません。その方法の1つがSSTなのです。
SSTは意見を一方的に押しつけるのではなく、子ども自らが意欲的に行動できるようにするためのスキルトレーニングなのです。

SSTの原則
【目標はスモールステップで設定する】
・大きな目標の達成に繋がる、ちょっと頑張れば容易に達成できるような途中の小さな目標を設定する(スモールステップ)。
・スモールステップで設定した小さな目標を達成したら、進歩して達成したことを本人に気づかせる。
※伝えるのではなく、自然と気付かせるようにすることがポイント。
・本人が気づいたら、褒めてあげて、モチベーションを高める。

【できないことを注意するより、できたことを褒めてあげる】
この褒めることはすごく大切ですが、年齢が上がってくるにつれて、褒め方にも注意が必要です。
次回の講座はこの褒め方についてお話ししたいと思います。