イメージ 1

/森口奈緒美 著  飛鳥新社

著者の幼時期・小学校・中学校時代の回想記です。

自閉症だから、なのか 彼女の描写は実に見事で、昔の事もよく憶えているなぁと関心しました。
彼女のユーモアのセンスや音楽などの芸術についてもすばらしいと思います。
正直で律義で素直な自閉症者のほうが多数派(通常発達者)より信頼がおけると私は思うのですが…。


1970年代の日本の小中学校は今以上に自閉症への理解がなく、
個性を大切にすることもなく、常に協調性や社会性を重要視してきたんだと思う。

著者は高機能自閉症(アスペルガー症候群)のため
知的だけれども皆と少し違うことからひどいいじめにあってしまう。

学校は勉強するところだからとがんばって成績が上がれば妬まれていじめられる。

協調性を大切にしようと友達を作る努力をしても、結局馴染めずいじめられる。

いじめられていることを先生は見て見ぬふりか全く気づいていない。

いじめる側は要領がよく、先生の見ていないところでいじめるので、
その度に癇癪をおこす著者のほうが常に悪者になってしまう。




…努力の甲斐もなく これでもか、これでもかというほどひどい仕打ちの連続に涙でした。

そんな彼女の体験と思いが息子と重なって とても辛くなりました。

幸い息子は現在 小学校でのいじめは(森口さんほどは)なく、落ち着いた学校生活を送っています。

それが中学に行ったら…

学校に通い続けて、何を学ぶのだろう?

著者のように
人間不信、懐疑心、強烈な悲観論、友達を作る事はナンセンス、まじめであることは自己満足に過ぎず、
不動の信念が後の時代と世代から観念呼ばわりされる…

つまり 無駄な努力はするな!
特に 人間関係における努力はいくら全力を尽くしても何もならず 良いものは何一つ残らない…

となってしまうのなら いっそ 行かないほうがまし なのではないか?と思ってしまう。

非常にショックで 先行き不安です(>_<)



この本は実に貴重な体験談で、良くできているので購入しようかと思って調べてみたら
初版の平成8年には1700円だったものが、今ではなんと3150円!

物価も上がったものですね~。

ところでこの本
図書館でお借りしてきたのですが、開架ではなく閉架でした。つまり書架でなく書庫保管本。

私としては、一人でも多くの人に読んで欲しい一冊なのですが…

次回はぜひ続編の 『平行線』~ある自閉症者の青年期の回想 ブレーン出版 を読んでみたいです。
それとドナ・ウィリアムズの『自閉症だったわたしへ』/新潮社 も♪