「ダンジョン飯」九井諒子

 

作品の舞台はRPGゲームみたいな世界観のダンジョン。主人公たちは人間とエルフなどの他種族混成の冒険者パーティ。ダンジョン攻略中にドラゴンに食べられて命を落とした妹を生き返らせようとする兄と仲間たち。しかし、妹の蘇生には様々な困難が待ち受けており…。涙あり笑いありの面白いマンガです。

読む前は、異世界転生してダンジョンで料理屋さんをする話かと勘違いしてました。異世界転生の話は好みじゃないのでスルーしてましたが、読んでみたら全然違ってました。

 

 

 

 

このマンガを推す理由は...

 

まず絵が上手い!私の年齢だと、キャラクターのデッサンがおかしな漫画はそろそろツライのです。もうそろそろ勢いだけでは漫画が読めません。その点「ダンジョン飯」は文句なしにクリア。人型キャラ、動物その他、魅力的な絵柄です。絵にうるさい人にも安心してお勧めできます。

 

さらに設定の練りこみがすごい!ダンジョンは当然のことながら、登場する種族や地上世界に至るまで細かく設定されているし、情報量の多さにも関わらず破綻してません。作者さんは相当理性的というか頭がいい人だと思います。知識量がすごいです。ライブ感重視のあまり深く考えてなさそうなマンガにはもう飽きてるという人にもおススメ。

 

そしてなにより話が面白い。絵が上手くて設定が練りこまれていても、話がつまらなければガッカリですが、「ダンジョン飯」は話も面白いです。わりとシリアスなネタを扱ってますが、笑い多め。あと上品。下品なキャラがいないので、不快感ナシ。

 

今11巻まで出てますが、もうかなり終盤。今のペースでいけば、15巻までいかずに終わりそうな気がします。「第一部完」でもいけそうな気もしますが(笑)。巻数が多い話はもう読めない。そんな時間も気力もない。そんな人にも読みやすい冊数だと思いますよ。

 

ちなみに私の推しキャラはハーフフットで鍵師のチルチャックさん。人間基準だと、人より寿命が短く背が低くて幼く見える種族ハーフフット。チルチャックさんは29歳、見た目は子供。でも3人の子持ちで、もう全員独立ずみ。ハーフフットの寿命的には中年のおじさん。見た目と中身のギャップが魅力のキャラ。精神的にもしっかりした大人。大人がちゃんと大人してるマンガの安心感。

 

そんなわけで、子供っぽいマンガに飽きてしまった大人にもおススメの魅力的なマンガです。