川の名前 | 昨日と同じかもしれない今日

川の名前

ちっこいいちねんせい少年と話をしたのだった。

なんとなく勉強の話になる。

彼は、地理が苦手ー。ってか大嫌いー!と言うのだった。

なんとなく気になったので尋ねてみた。


「嫌いって、どういうこと?何もかも嫌い?」

「教科書見るのもヤです」

「ってことはさ、そもそも山や川にいちいち名前がついてるコトからしてムカつく!とか?」

「そうです!」


なるほどー。と思った。

言われてみれば私にも覚えがある<え(汗)


「そうだよねー。ウチも旦那が地理得意で、ドライブに行ったりすると、あの山は○○山だよ、なんて言うのよー。で、アレは××山だっけ?なんて聞かれたりしたらもぉ、うるさいー!どーでもいいじゃねーかそんなこと!って思うわけ」


やはり地理の苦手だった私がそういうと、彼はぶんぶんうなずくのだった!


「そうなんですよ!この間も、父と電車に乗ってたら、川があって」

「うんうん」

「だから、僕はああ川だなーと思ってたら、いきなり『コレ、何川かわかるか?』なんて聞かれて」

「うんうんうん」

「答えないわけにいかないから、『○○川?』って言ってみたら、『××川だよ!(怒)』って言われてー、うるせぇこの野郎(怒)って!」


わかるわかるわかるー(倒)と、私たちはしばし大笑いした。

やがて。

話はうつり、生物は結構好きなんですよ♪と、彼は嬉しそうに言うのだった。


「あれ?でも、生き物の名前を覚えたりいろいろあるでしょう?」

「はい。でも、ソレは大丈夫なんです!」

「えー。こんな器官だの虫だのにいちいち名前つけてるんじゃねえっ!って思わないの?川みたいに?」


彼は真顔で答えた。


「それは、先生、全然違いますよ!だって、カナブンは、何十匹飛んでいても、全部同じ「カナブン」でいいじゃないですか!川は川なのにいちいち名前が違って(怒)」


…………。


烈しく納得しつつ、涙が出るほど笑ったのだった(しみじみ)

#いい年をして、涙が出るほど馬鹿笑いができるってのはなかなか幸せな職業なのではないかと改めて(しみじみじみ)