こんにちは!
フリーアナウンサーの三木 恵です。
人前で話すことを楽しめたらいいのに… と思いますか?
楽しいとき、脳はリラックスして創造性がアップします。
ユーモアを交えたり、アドリブを利かせる余裕が生まれます。
楽しいことはまたやりたいですから、次の機会へのモチベーションにもなりますね。
「楽しむ」ことは最強のスキルかもしれません。
とはいえ、楽しもう!と思って楽しめたら苦労はしないですよね
人前で話すことを楽しめないのはなぜでしょう?
プレゼン、講演、ちょっとした自己紹介でも…
人前で話すのを楽しめないのは、
失敗が怖いから、という方が多いと思います。
「失敗を恐れるな」、「リスクをとれ」とはよく聞きますが、
怖いものは怖いですよね。
途中で話すことを忘れたらどうしよう。
言いたいことが伝わらなかったらどうしよう。
つまらない話だと思われたらどうしよう。
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わたしたちは子どものころから
失敗を責められたり恥をかかされたりしていますから、
失敗が怖いのは自然な反応です。
でもでも、そこを乗り越えたいと思ったら…?
魔法があるわけではなく、
ちょっとずつちょっとずつ慣れていくしかありません。
一足飛びにいきなり「プレゼン楽しいー!」とはなりませんが、
すこーしずつ人前で話すことに楽しさを見出して、
ゆくゆくはたくさんの偉いひとの前でするプレゼンも楽しめるようになっていく。
そんなイメージです。
そのちょっとずつのステップにおすすめしたいのが、
即興演劇(インプロ)のトレーニングです。
(わたしが19歳で即興演劇と出会ったときの印象は、まさに衝撃!
打ち合わせなし、台本なしでこんなにおもしろいことができるの…?!と。
今はまた即興役者としても活動しています)
演劇!というとむしろ敷居が高く感じられるかもしれませんが、
ここでいう即興演劇のトレーニングとはゲームです。
身体と言葉を使って、
連想したり、ごっこ遊びをしたり、架空の物語をつくったりするものです。
1000以上ものゲームがあるといわれていて
小学生からご高齢の方まで楽しめるものもたくさんあります。
具体的なゲームの紹介はまたの機会としまして…
即興では、失敗はダイヤモンドの原石です。
即興ですから失敗は避けられないのですが、
むしろ失敗こそおもしろい展開のチャンスなんですね。
即興演劇の演出家である今井純さんが書かれた
「自由になるのは大変なのだ -インプロ・マニュアル」
という本での例がすごく好きです。
「銀行強盗」というタイトルのシーンで、
1人の女のプレイヤー(出演者)が銀行員となり、
架空のカウンター内で架空のお札を数え始めた。
するとステージ脇で控えていた男のプレイヤーが
バッとその場面に飛び込んで、
架空の拳銃をその女性行員に緊張した両手で向けた。
そして力強い大きな声で叫んだ。
「手を挙げろ!店長だっ!」
……。
言ってしまった瞬間、本人の顔が当惑した。
どうやら店長のつもりはなかったらしい。
観客は大爆笑。
本人は言い間違えたのだが、
芝居の場面としては何も間違ってはいない。
店長が自分の銀行を強盗しているという、
オリジナリティーあふれる興味深い場面なのだ。
より抜粋(カッコ内、改行は三木)
店長が自分の銀行を強盗する!
どんな事情があるのか、続きはどうなるのか…!!
失敗したからこそ生まれた唯一無二のストーリーです。
即興演劇では、失敗は嫌なものではなく、むしろ歓迎されるくらいのもの。
これって価値観変わりませんか…!!!
こういうことをゲームという形で繰り返すうち、
ゲーム以外でも活きてきます。
プレゼンで失敗を積み重ねるのは怖いけど、
ゲームで失敗を積み重ねてその後の展開をどうするか楽しむのはおもしろいですよね。
人前で話すことを楽しめない方といろんな即興ゲームで遊びたいです。
失敗の恐怖から解放されて、
失敗を歓迎して、味方につけて、
店長が自分の銀行を強盗しちゃうようなユニークなストーリーを、
自分の人生という舞台でも繰り広げてみたいと思いませんか。
そんな思いをこめて、
わたしの話し方レッスンでは即興ゲームを取り入れています。
人前で話すって、すごく楽しいことです。