「フリーアナウンサーです」
と自己紹介すると驚かれることが多いです。
えっ?!
すごい!!
そんな人初めて会いました! ←笑
好意的なリアクションなので
純粋にうれしいです
その後ときどきいただくのが、
「フリーアナウンサーって、どうやってなるんですか?」
というご質問。
「アナウンサー(局アナ)」は
放送局に就職活動して…というイメージがわくけれど
「フリーアナウンサー」って
ちょっと謎なのかもしれませんね。
せっかくなので
この場を借りてお答えします。
フリーアナウンサーになる方法は、
会社を辞める
です!
ほんと、ほんと。
それだけで誰でも「フリーアナウンサー」になれます。
というのも、
アナウンサーって資格が要らないので、
本人が名乗ればOKなんです。
で、
「フリー」ということですから、
会社に勤めている場合は、辞める。
あとは自分で
「フリーアナウンサーです」って名乗れば
あなたはフリーアナウンサーなんです!
実際わたしも3月まではIT企業の専属キャスター/ナレーターだったので
「フリーアナウンサー」とは名乗っていませんでした。
「フリーアナウンサー」という肩書を使い始めたのは退職してからです。
ちょっとそれますが…
わたしはかつて札幌のラジオ局に勤めていたので「元局アナ」という肩書でもいいのですが、
「元」より「いま」のわたしをお伝えしたいという思いで「フリーアナウンサー」としています。
そんなわけで
局アナ経験がなくても、司会やナレーターの経験がなくても、
誰でもいつでも「フリーアナウンサー」になることができます。
…が、
たぶん「どうやってなるの?」はそういう意味じゃないですよね(笑)
話す仕事をするようになるという意味では
事務所付属の養成所に通っていました。
発声からニュース読み、リポート、フリートークなど、あらゆることを教えてもらいました。
クラスで評価されると仕事を紹介してもらうことができ、
その仕事で成果をあげるとまた別の仕事を紹介してもらって…の繰り返しです。
わたしの初仕事は中古車オークションの会場アナウンスでした。
「12番、クラウン、スタートです」
「ありがとうございました」
みたいな単純なセリフを延々2時間とか3時間とか繰り返すというもの!!
しかしこれが意外と難しくて、
文章が短いだけに話し癖があると目立つし、
何時間も安定した読みをし続けるのはけっこう大変だったんです。
アナウンスブースで緊張していた19歳のわたしの肩を力強くたたいてくれた、M先輩のあたたかい手。
16年経った今でも記憶に残っています。
その後はヒーローショーのMC(お姉さん)を中心としたイベント司会、
ラジオ、テレビ…と拡がっていき、
4年ほどでバイトなしでも食べていけるようになりました。
振り返ってみて、
どうして話す仕事をするようになれたのかと言われれば、
養成所に入ったから
なのですが、
養成所で一緒に学んだ仲間たちのほとんどがすでに話す仕事をしていません。
それ以前に仕事にならないままやめていった人もたくさんいます。
そちらのほうが多いですね。
わたしが食べていけるようになるまでの修業時代の仲間のうち
今もずっと話す仕事を続けているのは、
3人?4人??
養成所とラジオ局の仲間をあわせると
300人くらいいたと思うんですけど、そのくらいです。
そういう意味では、
いまのわたしがフリーアナウンサーでいられるのは、
ただ単に「続けているから」それだけです。
「重要なのは才能より継続だ」とはよく言われますよね。
さすがに自分に話す才能がないとまでは思っていませんが(笑)、
わたしより才能のありそうな人が続けられなかったのも見てきました。
もうひとつ、
続けるのもただ続ければいいというのではなくて、
「仕事として続ける」ということは
ずっと意識していましたね。
メディアで話したい人は山ほどいます。
機会も意外とたくさんあります。
趣味ではなく仕事として話す、
そのための行動をする、
という点にこだわっていたのはポイントだったかなと思います。
いつか仕事になるかもと思って
趣味レベルでやってしまうと、
そっちのほうが心地よくなってしまう場合があります。
どちらがしあわせかはその人によるのでなんともいえませんね。
フリーアナウンサーだなんてすてき!
と言っていただけるのはとても嬉しいのですが
修業時代から独り立ちして、
結婚でいちど全部リセットして、
さらに妊娠、出産を経ても話す仕事を続けて…
という流れがけっこう泥くさいので(笑)、
内心かなりどきどきします
アナウンサーって響き、いまだに照れくさいですしね…。
でもこうして考えると
話す仕事をあきらめなかった、
続けるために最善を尽くし続けてきた、
そしていまも全力で取り組んでいる、
そうした一連の行動をできたことこそが、
わたしが小さいころからの夢(表現する仕事につく)を叶えて手に入れた
いちばん大切なものでした。
そう自覚したから、
わたしは死ぬまで好きな仕事を続けていける自信があります。
ということで、
フリーアナウンサーには、誰でもなれます。
「フリーアナウンサーです」と名乗り続ける限り