あの人はいつも
書類提出の〆切を守ってくれない、と
こぼす同僚がいます。
〇日までに出してくださいとメールし、
個別に念押しもしているのに、
いつも〆切を破るのだとか。
書類を集める担当である同僚は
〆切後に催促をするのがストレスらしい。
大変だなぁと思いつつ、
偶然その「催促の場面」を目撃したわたしは
なんだか妙に納得してしまいました。
「あのー、
××の書類、〆切過ぎてるのですが…」
「えっ?××の書類?」
「昨日が〆切でした。ご確認お願いします」
「あ~、ごめんね、すぐ出します」
~会話終了~
…これ、
ぜったいまた催促しないと
提出してもらえないやつだー!!
あらかじめ〆切は伝えてあり
ほとんどの社員はそれを守っているわけで
〆切を破ることがよくないのは大前提です。
が…
このような催促の仕方では、
1回の催促で提出してもらえる可能性は低く
次の書類提出の機会にも
きっと〆切を破られてしまいます。
なぜか?
「要求」を
言葉にしていないからです。
催促が下手なひとの共通点は、
「状況」だけ伝えて
肝心の「要求」を伝えないこと。
だから「要求」が伝わらず
行動してもらえないのです。
同僚は書類を催促するとき、
言いづらいのでしょうか、
「あのー、
××の書類、〆切過ぎてるんですが…」
と話しかけていました。
これは「〆切を過ぎている」という
状況を伝えているに過ぎません。
「状況」を伝えただけでは、
人は動きません。
人を動かすためには、
どう動いてほしいか「要求」を伝えなくてはいけません。
状況を伝えただけで
察してくれるひともいますが、
伝える側がそれを期待するのは
ミスコミュニケーションのもとです。
そしてあとに続けた、
「昨日が〆切でした。ご確認お願いします」
という言葉。
「ご確認お願いします」は
行動を要求しているようにも思えますが、
「ご確認」とはなんなのかが曖昧で
要求の機能を果たしていません。
えっ、
一度依頼したものを催促しているんだから
「〆切過ぎてる」だけでわかるでしょって?
わかってないから、
〆切を破ってるんです!
たとえすでに伝えたことであっても、
今してほしいことは今はっきり伝える。
これが鉄則です。
何をしてほしいのかよくわからない伝え方をすると
相手もふんわりなんとなく受け取ってしまい
「あ~、ごめんね、すぐ出します」
とは言いつつ
すぐに忘れてしまいます。
「何をどうするのか」
を言われていないため頭に残らず、
「次は〆切守らなきゃな!」とも
思ってくれません。
催促しづらいという気持ちもわかりますが
きちんと伝えられず
2回目の催促をすることになったり
「なんで〆切守らないの?!」と
ストレスをためるのではなく
堂々としっかり伝えたほうが
相手にも自分にもストレスがありません。
そして意外なことに、
「〆切過ぎてるのですが…」
という語尾を濁した言い方は、
催促するのが申し訳ないという気持ちから出たものであっても
言われたほうはむしろ責められているような
ニュアンスを感じてしまうものです。
「〆切過ぎているので提出してくださいね」
とはっきり言ってもらったほうが
ずっと素直に受け取れます。
催促するときは、
「要求」をはっきり言葉にして、
堂々とさわやかに
同僚に伝えてあげなくては…。
要求を言葉にするときのポイントは
また別の機会に書きますね