一緒に働けてよかった、さみしくなるよ…
と涙ぐまれたのに
2週間後にはすっかり忘れられてしまう
そんな別れにはしない!
未来につながる別れのスピーチのコツを
ご紹介するシリーズ<その3>です。
異動などの後も良い関係を続けるためには
・具体的な感謝
・共通の未来
の2つをしっかり伝えておきたいということを<その1>で。
そして、
「具体的な感謝」とは
普通の感謝とどう違うのか?
どんなふうに伝えたらいいのか?を
<その2>でご紹介しました。
今回はいよいよ、いちばん大切なポイント
「共通の未来」について。
未来につながるスピーチをしたいのなら、
当然、
未来について話さなくてはいけません。
でも、そんなこと改めていわれなくても
別れのスピーチでは普通、
自分のこれから(異動先、転職先)、
つまり「未来」について話しますよね。
それでは不十分なのでしょうか?
今回もよくある異動の挨拶の例から
考えてみましょう。
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このたび、4月1日をもちまして、
営業部へ異動することとなりました。
これまで販売部のみなさんと力を合わせて働いた日々は
私にとって忘れがたい経験です。
本当にありがとうございました。
新天地でも、
今まで教えていただいたことを活かし、
さらに精進してまいります。
また一緒にお仕事をさせていただく機会も
あると思いますので、
これまで同様によろしくお願いいたします。
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この原稿で「未来」についてふれているのは
以下の部分です。
「新天地でも、
今まで教えていただいたことを活かし、
さらに精進してまいります。
また一緒にお仕事をさせていただく機会も
あると思いますので、
これまで同様によろしくお願いいたします。」
悪くない内容なのですが、
何かの折に思い出してもらえるような
パワーがあるとは言い難いですよね。
そこで、
考えてみるとよいポイントは、
「伝えているのは誰の未来か?」
ということです。
「新天地でもがんばります」
「これからもよろしくお願いします」
どちらも、
スピーチをしている自分の未来のことですよね。
聞き手が不在なのです。
だから形式的なコメントに感じられ、
「うんうんがんばってね!」と
その場限りの共感で終わってしまうのです。
単に「未来」でなく
「共通の未来」を盛り込みましょう
とお伝えしているのはそういうことです。
聞き手、
異動であれば上司や同僚、を巻き込んだ、
少なくとも関係のある未来を
イメージさせなくては、
別れた後も存在感を残すのは難しいのです。
みんな毎日考えることがたくさんあるなか、
せめて関係あると思えることでないと
覚えていられませんし、
何かの折に思い出すこともできません。
では、
「未来」でなく「共通の未来」とは
具体的にどんなことでしょうか?
それは、
未来の自分が
聞き手にどんなメリットを与えられるか
です。
「メリット」といってしまうと
ビジネスライクでさみしいでしょうか。
良い影響、でも
与えられるモチベーション、でも
かまいません。
聞き手に、
未来の自分とつながっていると
こんないいことがある
というのをイメージさせる。
それが、
「共通の未来」を伝える、ということです。
例文をもう一度見てみましょう。
「新天地でも、
今まで教えていただいたことを活かし、
さらに精進してまいります。
また一緒にお仕事をさせていただく機会も
あると思いますので、
これまで同様によろしくお願いいたします。」
これをこんなふうに変えてみるとどうでしょうか。
「販売部で培った現場視点を武器に、
異動先の営業部でも精進します。
ゆくゆくは2つの部署の懸け橋として、
販売部のみなさんに
気軽に連絡してもらえる存在を目指します。」
現職での経験、知識を異動先で活かすと
明言することで、
部署間の連携がとりやすくなるかも?と
期待を持ってもらえるかもしれません。
また、懸け橋として
気軽に連絡してもらえるようになりたいと伝えることで
今後なにかあったら頼っていいんだな、
と心に留めてもらえる可能性が高まります。
100文字(約20秒)にも満たない原稿でも
これだけ工夫できます。
別れた後にどんな関係を続けたいかを
なるべく具体的にイメージして、
聞き手が覚えておきたくなるメリット…
自分と聞き手との
共通の未来
を提示しましょう。
もちろん、口先だけでなく
本心から言えることを伝えてくださいね。
そうすればきっと
別れの後も良い関係が続く
意義のあるスピーチができます。
別れは新しい道のはじまり。
あなたの道を照らす輝きのひとつとなる
心を動かすスピーチ
になるよう工夫してみてくださいね!
もし、
これを読んだだけではぴんとこない、
自分の状況にどう当てはまればいいのかわからない
という方がいらっしゃったら、
ぜひコメントでご質問ください。
お力になれるよう、回答させていただきます。
異動、退職、卒業…
あなたの別れが前向きでさわやかなものになりますように!