2音の響き具合で区別した音程の分け方

2音を同時に鳴らしたとき、うなりの少ない音程を協和、うなりが大きいものを不協和と呼びます。

 

純正律が普及した時代に、音程の周波数比が簡単な整数比で表せるものを協和音程、完全音程ではないが協和音程と同様に周波数比が簡単なものを不完全協和音程、整数比が複雑なものを不協和音程と呼んだのが始まりのようです。

純正律での周波数比

度数 周波数比 音程
完全1度 1/1 完全協和音程
短2度 15/16 不協和音程
長2度8/9 不協和音程
短3度 5/6 不完全協和音程
長3度 4/5 不完全協和音程
完全4度 3/4 完全協和音程
増4度、減5度 32/45 不協和音程
完全5度 2/3 完全協和音程
短6度 5/8 不完全協和音程
長6度 3/5 不完全協和音程
短7度 9/16 不協和音程
長7度 8/15 不協和音程
完全8度 1/2 完全協和音程

(J.-Ph.ラモー「和声論」より)

現在では、一般的に音の調律には平均律が採用されているので、うなりが生じないのは1度と8度のみです。

分類

1度、8度、5度、4度 → 完全協和音程

3度、6度       → 不完全協和音程

増4度、減5度、その他 → 不協和音程

 

古典和声では、4度は3度へ進ませる音程で、不協和音程と同じく、調性的に音の解決が必要であると捉えられていました。

 

厳格対位法では、更に6度を長短で区別し、短6度のみ協和音程として扱えますが、長6度は不可としています。

 

協和、不協和は、メロディーを作るときやハーモニーをつけるときに音の自然な流れを醸し出すために使う手がかりとなる考え方の一つです。

歴史的背景

コード理論にまで連なる「和声」という考え方は、1722年に出版された 「和声論」から始まります。

 

音程と和声の関係についてより詳しくは、「和声論」(J.-Ph.ラモー著) 第1巻 第1章~第4章にあります。 

原書で読みたい方は、 フランス国立図書館のwebデジタル図書館「Gallica」で閲覧が可能です。

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