ローミドル RTX5060Ti発売!
RTX5060が5/20発売となり、RTX50シリーズのローミドルクラスGPUが、揃いました。5060Tiは、ミドルクラス5070へやや寄ったGPUという立ち位置です。
5060Tiは8GBモデルと16GBモデル2種類あり、それほど大きくないとされる価格差から、8GBモデルは買う価値なしとする批評もあります。 果たしてそうでしょうか。
性能
過去モデルとの比較
| GPU | スコア | AI | CUDA | Tenser | RT | TDP | 帯域 | 価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 5060Ti 16GB | 15940 | 785 | 4608 | 144 | 36 | 180w | 448GB/s | \79,800 |
| 5060Ti 8GB | 15800 | 767 | 4608 | 144 | 36 | 180w | 448GB/s | \64,980 |
| 4060Ti 16GB | 13356 | 361 | 4352 | 152 | 38 | 165w | 288GB/s | - |
| 4060Ti 8GB | 13473 | 357 | 4352 | 152 | 38 | 160w | 288GB/s | \67,980 |
| 3060 12GB | 8867 | ? | 3584 | 112 | 28 | 170w | 360GB/s | \42,800 |
スコアは、3DMark Time Spy Graphics (PC自由帳より)
AI パフォーマンス 単位TOPs (Asus製品ページより) 価格は、6/22 価格.com
評判の悪かったRTX4060Ti 16GBは、姿を消しています。
3060Tiには、8GBモデルしか存在せず、AI入門用としてはVRAMが足りません。AI入門用としては、5060Ti 16GBよりも4~5万円安い3060 12GBがまだ出回っている現在では、予算が厳しい場合、選択肢に入るでしょう。
帯域が向上していますが、メモリによるもので、ベースは128bitのままです。クラス上を狙えば、不足すること請け合いです。
GPUのコアについて
・CUDAコアの数が多ければ、画像処理能力が高くなります。最も重要な能力です。
・Tensor(テンソル)コアは、ディープラーニングの能力にかかわります。
・RTコアとは、Ray Tracing(レイトレーシング:光の反射を忠実に反映する)の能力に関係します。
AI用途では、Tensorコアの数が重要です。
シリーズモデルとの比較
| GPU | スコア | AI | CUDA | Tenser | RT | TDP | 帯域 | 価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 5070Ti 16GB | 27792 | 1432 | 8960 | 280 | 70 | 300w | 896GB/s | \147,800 |
| 5070 12GB | 22689 | 1044 | 6144 | 192 | 48 | 250w | 672GB/s | \ 97,790 |
| 5060Ti 16GB | 15940 | 785 | 4608 | 144 | 36 | 180w | 448GB/s | \ 79,800 |
| 5060Ti 8GB | 15800 | 767 | 4608 | 144 | 36 | 180w | 448GB/s | \ 64,980 |
| 5060 8GB | 13717 | 623 | 3840 | 120 | 30 | 145w | 448GB/s | \ 54,800 |
ゲーム目的ならば、5060も良い選択かも知れません。4060Tiよりもスコアが良くて価格も10,000円以上安くなっています。
ミドルレンジとしては、5070Tiがゲーム・クリエイティブ用途で欲しいところですが、高すぎです。60番台としては、無印が50,000円台とすれば、Tiは10,000円高い、16GBモデルでも70,000円前半からスタートの値段設定としてほしいところです。
他社モデルとの比較
AMD、Intel製の同等品を探すことになりますが、コアの種類の違いや構成が違うため、単純な比較は難しいものがあります。
Radeon RX 7700 XT(12GB), 7800 XT(16GB),7900 XT(20GB) 製品名のみ上げておきます。価格面では、多少安くなりますが、TDPが高く、クラス上の電源を用意せねばなりません。その分PC全体の価格が上昇します。
Inttel製も含め、ゲーム、AIとも設定・調整が難しく、中・上級者向けとなります。
結論
製品が出たばかりであり、ドライバ等まだ成熟しておらず、現状では旧製品を使う方が無難な現状です。しかし、製品登録を行い、NVIDEAからのアップデートをこまめに行えば、今後は使い勝手は向上するものと思われます。
Web上で見かける批評の性能テストは、GPU以外の設定はハイエンドというもので行っているため、実際のユーザー環境とは大きくかけ離れています。
ミドルレンジで運用するのにCPUがi9K付ということはあり得ず、i5、良くてi7程度でしょう。自分の用途に合わせ、全体でバランスの取れたシステム構成にすることが、「自作ゆざー」の面白みであり、腕の見せ所と言えるでしょう。