「ジョン・コルトレーン・ウィズ・レッド・ガーランド・トリオ」は、コルトレーンのリーダー・アルバム第三作目にあたります。ただし、二作目の「ブルー・トレイン」よりも先に録音されており、発売日が数か月ずれたがために三作目となってしまいました。まあどちらでもいい話ですが。
しかも、アルバム・タイトルがタイトルだけにリーダー感が薄い。それを気にしたのか、早くも発売の3年後にはタイトルを「トレイニング・イン」とし、ジャケットも抽象画ではなく、コルトレーンのシリアスなポートレート写真に差し替えてリイシューされました。
したがってそちらのタイトルに馴染みが深い人が多いでしょうけれども、私はタイトルもジャケットもオリジナルの方が好きです。誰の作品なのか分かりませんけれども、黒字に赤で書きなぐったブラシがかっこいいです。プレスティッジのジャケットはどれも秀逸です。
タイトルに関しても、このアルバムではレッド・ガーランドのピアノが大活躍していますから、何も看板に偽りがあるわけではありません。むしろ素直に聴けばこちらのタイトルの方が内容により当てはまっていると思う人が多いのではないでしょうか。
この作品でいうレッド・ガーランド・トリオは、ピアノにガーランド、ベースにポール・チェンバース、ドラムにアート・テイラーという布陣です。このトリオからはかの名作「グルーヴィー」が生まれています。しかも同作品の半分は本作品と同じ月の録音です。
言うまでもなくガーラントとチェンバースはコルトレーンとはマイルス・デイヴィスのバンドで共演してきた仲です。テイラーもこの時期にマイルスやセロニアス・モンクと共演していた経験がありますから、コルトレーンとは旧知の仲だったのでしょう。実にまっとうなカルテットです。
アルバムは、再発時のタイトルにもなった「トレイニング・イン」から始まります。トレイニングの綴りは電車のトレインではなく、コルトレーンのトレーンになっていることからも分かる通り、コルトレーンのオリジナルです。12分間に及ぶ、アルバムを決定づける楽曲です。
ところがこの楽曲、最初の3分半にわたってガーランドのピアノ演奏が続き、その後にようやくコルトレーンが登場します。これだけでもタイトルの妥当性が分かるというものです。その後は、チェンバースの「サンタが街にやってくる」などを入れ込んだソロもあります。
オリジナル曲はもう一曲「ベース・ブルース」です。チェンバースのボウイングをフィーチャーしたオーソドックスなブルースです。スタンダードはバラードが二曲、うち「スロウ・ダンス」はそのエンディングが後に有名な「ナイーマ」に流用されることになります。
最後のアーヴィング・バーリンの曲「ソフト・ライツ・アンド・スウィート・ミュージック」は高速で突っ走る楽曲で、後のコルトレーンの姿が垣間見える演奏です。いずれもリハーサルなしに一日で録音を終えたとは思えない充実ぶりです。勢いがあっていいですね。
きわめてオーソドックスなジャズ作品です。4ビートがこれほど心浮き立つものだったかと再確認しつつ、とてもリラックスして聴くことができまです。何も怖いことはなく、逆にコアなファンからは敬遠されかねない作品ですが、私は典型的なこの頃のジャズ作品として大好きです。
John Coltrane with Red Garland Trio / John Coltrane (1958 Prestige)
Tracks:
01. Traneing In
02. Slow Dance
03. Bass Blues
04. You Leave Me Breathless
05. Soft Lights And Sweet Music
Personnel:
John Coltrane : tenor sax
Red Garland : piano
Paul Chambers : bass
Art Taylor : drums
しかも、アルバム・タイトルがタイトルだけにリーダー感が薄い。それを気にしたのか、早くも発売の3年後にはタイトルを「トレイニング・イン」とし、ジャケットも抽象画ではなく、コルトレーンのシリアスなポートレート写真に差し替えてリイシューされました。
したがってそちらのタイトルに馴染みが深い人が多いでしょうけれども、私はタイトルもジャケットもオリジナルの方が好きです。誰の作品なのか分かりませんけれども、黒字に赤で書きなぐったブラシがかっこいいです。プレスティッジのジャケットはどれも秀逸です。
タイトルに関しても、このアルバムではレッド・ガーランドのピアノが大活躍していますから、何も看板に偽りがあるわけではありません。むしろ素直に聴けばこちらのタイトルの方が内容により当てはまっていると思う人が多いのではないでしょうか。
この作品でいうレッド・ガーランド・トリオは、ピアノにガーランド、ベースにポール・チェンバース、ドラムにアート・テイラーという布陣です。このトリオからはかの名作「グルーヴィー」が生まれています。しかも同作品の半分は本作品と同じ月の録音です。
言うまでもなくガーラントとチェンバースはコルトレーンとはマイルス・デイヴィスのバンドで共演してきた仲です。テイラーもこの時期にマイルスやセロニアス・モンクと共演していた経験がありますから、コルトレーンとは旧知の仲だったのでしょう。実にまっとうなカルテットです。
アルバムは、再発時のタイトルにもなった「トレイニング・イン」から始まります。トレイニングの綴りは電車のトレインではなく、コルトレーンのトレーンになっていることからも分かる通り、コルトレーンのオリジナルです。12分間に及ぶ、アルバムを決定づける楽曲です。
ところがこの楽曲、最初の3分半にわたってガーランドのピアノ演奏が続き、その後にようやくコルトレーンが登場します。これだけでもタイトルの妥当性が分かるというものです。その後は、チェンバースの「サンタが街にやってくる」などを入れ込んだソロもあります。
オリジナル曲はもう一曲「ベース・ブルース」です。チェンバースのボウイングをフィーチャーしたオーソドックスなブルースです。スタンダードはバラードが二曲、うち「スロウ・ダンス」はそのエンディングが後に有名な「ナイーマ」に流用されることになります。
最後のアーヴィング・バーリンの曲「ソフト・ライツ・アンド・スウィート・ミュージック」は高速で突っ走る楽曲で、後のコルトレーンの姿が垣間見える演奏です。いずれもリハーサルなしに一日で録音を終えたとは思えない充実ぶりです。勢いがあっていいですね。
きわめてオーソドックスなジャズ作品です。4ビートがこれほど心浮き立つものだったかと再確認しつつ、とてもリラックスして聴くことができまです。何も怖いことはなく、逆にコアなファンからは敬遠されかねない作品ですが、私は典型的なこの頃のジャズ作品として大好きです。
John Coltrane with Red Garland Trio / John Coltrane (1958 Prestige)
Tracks:
01. Traneing In
02. Slow Dance
03. Bass Blues
04. You Leave Me Breathless
05. Soft Lights And Sweet Music
Personnel:
John Coltrane : tenor sax
Red Garland : piano
Paul Chambers : bass
Art Taylor : drums