ロス・デイズのセカンド・アルバム「ウエスト・ウインド」です、ロス・デイズとは、スケボー界のレジェンドであり、ミュージシャンとしても人気の高いトミー・ゲレロと、米国のさまざまなアーティストからツアー・メンバーとして引っ張っりだこのジョッシュ・リッピのユニットです。
本作品はデビュー作と同様に、カリフォルニアのジョシュア・ツリー国立公園沿いにある砂漠に立つ一軒家、通称「朝日のあたる家」にて制作されました。ジャケットに写るこの家は、太陽光発電のみで稼働するというSDGsを体現したような建物です。
この家の持ち主は、「プリティ・イン・ピンク」でお馴染みのサイケデリック・ファーズ再結成後のメンバーであるリッチ・グッドです。もともとグッドと友だちだったリッピは、都会の喧騒を離れ、人里離れた地にあるこの家でリラックスすることを計画します。
その話をゲレロにしたところ、しばらく都会を離れたいと思っていたゲレロも一緒に行くことになりました。バンドを組むこともアルバムを作ることも企図されていたわけではありませんが、遊び感覚で音楽を演奏しているうちにアルバムができてしまった、そんな経緯です。
これがデビュー作で発表は2020年5月のことでした。本作品は2021年3月に再び二人が朝日のあたる家に6日間こもって制作したセカンド・アルバムです。そうです。この時期はコロナ禍が猛威を振るっていた時期にあたります。二人の気持ちも分かります。
本作品も、前作同様に事前の打ち合わせは一切なしに行われています。二人が「小さいドラム・セット、ベース、ギター各種、バリトーンギター、アンプ、古いドラム・マシン、古いシンセ、ギター・ペダル、パーカッションなど」を使って作品を作り上げていきました。
ほぼ二人だけの制作で、ゲストとしては、家の持ち主のグッドが1曲ギターで参加していることと、スタジオで追加録音した際にルイ・セニョールなるドラマーが1曲参加しているのみです。さすがにこの家での録音なので、ところどころスタジオで手直しが必要だったようです。
この家は中に入ると壁一面が大きな窓になっていて、砂漠の景色のパノラマを見ながら演奏するのだそうです。「砂漠にどうしても演奏が影響されるんだ。」、「精神的に癒されるし、クリエイティブな気持ちになりやすい」とゲレロは言っています。
この影響を直接感じるのは、リッピが大好きだというマカロニ・ウエスタン風のサウンドに遭遇することです。とりわけ、6曲目の「センチュリーズ・オブ・ファイヤー」から7曲目の「マグネティック・エクスパンス」への流れは本人たちも認める通り、西部劇のサントラ風です。
ゲレロによると、ロス・デイズのサウンドの要は朝日のあたる家に置いてある壊れたアコギなんだそうです。全体を覆う不思議なムードにはそんな秘密があるのですね。このギターが他の楽器にも影響を与えて、何ともいえないサウンドができているのですね。
また、リッピは、「砂漠は景色が常に変化しているんだ。」、「砂漠ではゆっくりと変化していく景色を堪能できるんだ」と述懐しており、本作品を聴いているとすとんと胸に落ちてきます。穏やかなトーンのインストゥルメンタル作品には、そうした変化が折りたたまれています。
West Winds / Los Days (2022 Too Good)
Tracks:
01. Tierra De Sombre
02. West Winds
03. Honey Colored Hills
04. Ancestral Light
05. Sorrow Moon
06. Centuries Of Fire
07. Magnetic Expanse
08. Floating Against The Night Sky
09. Tempest's Journey
10. Drifting Away
11. As The Earth Relinquished
12. El Carro Del Sol
13. The Cloak Of Night
Personnel:
Tommy Guerrero : baritone guitar, bass guitar, drums, percussion, keyboards
Josh Lippi : baritone guitar, bass guitar, drums, percussion, keyboards
***
Rich Good : guitar
Louie Senor : drums
本作品はデビュー作と同様に、カリフォルニアのジョシュア・ツリー国立公園沿いにある砂漠に立つ一軒家、通称「朝日のあたる家」にて制作されました。ジャケットに写るこの家は、太陽光発電のみで稼働するというSDGsを体現したような建物です。
この家の持ち主は、「プリティ・イン・ピンク」でお馴染みのサイケデリック・ファーズ再結成後のメンバーであるリッチ・グッドです。もともとグッドと友だちだったリッピは、都会の喧騒を離れ、人里離れた地にあるこの家でリラックスすることを計画します。
その話をゲレロにしたところ、しばらく都会を離れたいと思っていたゲレロも一緒に行くことになりました。バンドを組むこともアルバムを作ることも企図されていたわけではありませんが、遊び感覚で音楽を演奏しているうちにアルバムができてしまった、そんな経緯です。
これがデビュー作で発表は2020年5月のことでした。本作品は2021年3月に再び二人が朝日のあたる家に6日間こもって制作したセカンド・アルバムです。そうです。この時期はコロナ禍が猛威を振るっていた時期にあたります。二人の気持ちも分かります。
本作品も、前作同様に事前の打ち合わせは一切なしに行われています。二人が「小さいドラム・セット、ベース、ギター各種、バリトーンギター、アンプ、古いドラム・マシン、古いシンセ、ギター・ペダル、パーカッションなど」を使って作品を作り上げていきました。
ほぼ二人だけの制作で、ゲストとしては、家の持ち主のグッドが1曲ギターで参加していることと、スタジオで追加録音した際にルイ・セニョールなるドラマーが1曲参加しているのみです。さすがにこの家での録音なので、ところどころスタジオで手直しが必要だったようです。
この家は中に入ると壁一面が大きな窓になっていて、砂漠の景色のパノラマを見ながら演奏するのだそうです。「砂漠にどうしても演奏が影響されるんだ。」、「精神的に癒されるし、クリエイティブな気持ちになりやすい」とゲレロは言っています。
この影響を直接感じるのは、リッピが大好きだというマカロニ・ウエスタン風のサウンドに遭遇することです。とりわけ、6曲目の「センチュリーズ・オブ・ファイヤー」から7曲目の「マグネティック・エクスパンス」への流れは本人たちも認める通り、西部劇のサントラ風です。
ゲレロによると、ロス・デイズのサウンドの要は朝日のあたる家に置いてある壊れたアコギなんだそうです。全体を覆う不思議なムードにはそんな秘密があるのですね。このギターが他の楽器にも影響を与えて、何ともいえないサウンドができているのですね。
また、リッピは、「砂漠は景色が常に変化しているんだ。」、「砂漠ではゆっくりと変化していく景色を堪能できるんだ」と述懐しており、本作品を聴いているとすとんと胸に落ちてきます。穏やかなトーンのインストゥルメンタル作品には、そうした変化が折りたたまれています。
West Winds / Los Days (2022 Too Good)
Tracks:
01. Tierra De Sombre
02. West Winds
03. Honey Colored Hills
04. Ancestral Light
05. Sorrow Moon
06. Centuries Of Fire
07. Magnetic Expanse
08. Floating Against The Night Sky
09. Tempest's Journey
10. Drifting Away
11. As The Earth Relinquished
12. El Carro Del Sol
13. The Cloak Of Night
Personnel:
Tommy Guerrero : baritone guitar, bass guitar, drums, percussion, keyboards
Josh Lippi : baritone guitar, bass guitar, drums, percussion, keyboards
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Rich Good : guitar
Louie Senor : drums