ローリング・ストーンズの全公式録音を網羅しようという恐るべき企画「ザ・コンプリート・ストーンズ」の第二弾です。第一弾と同日に発売されました。ジャケットにはアンドリュー・オールダムに外されたイアン・スチュワートを除く5人組ストーンズが写っています。
第二弾には1963年11月20日から1964年2月13日までの録音が収録されています。当時リリースされた作品としては、サード・シングル「ノット・フェイド・アウェイ」、そして「テル・ミー」を除くデビュー・アルバム全曲がカバーされています。
この時期のストーンズはいわゆる「外タレ」公演の前座を務めるなど、そのライヴ会場は確実にステップアップしてきていました。一方、既発のシングル曲は全くの不発というわけでもありませんが、期待した大ヒットには結びついておらず、さらなる展開が必要でした。
そこはやはりオリジナル楽曲なのでしょう。オールダムはミック・ジャガーとキース・リチャーズに曲作りを強いていきます。この当時はブライアン・ジョーンズが音楽的なリーダーだったと認識しているのですが、曲作りがブライアンでないのが私には今でも腑に落ちません。
この頃、ジャガー・リチャーズが書いた曲はどうにもストーンズ向きではなかったことから、オールダムはこれを他の人に提供することとします。ここではそのデモ音源などが収録されています。ストーンズの演奏ではありませんが完成版も収録されています。
ジョージ・ビーンやクレオ・シルヴェスターの楽曲がそれです。ジャガー・リチャーズの初の作品ということになります。ストーンズ向きではないとされていますが、確かにゴリゴリのブルースなどではないものの、後のストーンズの楽曲が頭をよぎるような曲ばかりです。
ついでにアンドリュー・オールダム・オーケストラ名義で発表されたシングル「365ローリング・ストーンズ」が収録されています。ストーンズによるインストゥルメンタル曲ですが、これをシングルで発表するのですからオールダムという人は凄いものです。
やがて、ストーンズに、ようやくデッカ・レコードからファースト・アルバムの制作へのゴーサインが出ます。本作品の後半はこのデビュー・アルバムに向けたセッションが中心となります。ここでのキーワードは憧れのプロデューサー、フィル・スペクターです。
ロネッツの英国ツアーに帯同したストーンズですから機は熟していて、セッションのスタジオにスペクターがやって来ることになりました。しかも時の大スター、ジーン・ピットニーを連れて。ウォール・オブ・サウンドの本家はストーンズの録音にも手を貸しています。
このあたりの消息がよく分かるのが本作品のいいところです。なぜか私まで、スペクターが来た!と嬉しくなってしまいます。スペクターとの共作「リトル・バイ・リトル」を除けばすべてカバー曲ですが、第一弾から続けて聴いていると演奏技術の進歩ぶりが実感できます。
なお、まだ課外活動は続いていて、女優となるエイドリアン・ポスターへの提供曲やオールダムのオーケストラ用の曲が収録されています。極めつけはケロッグのCMソングです。ストーンズが演奏し、ミックが歌っています。これがかっこいい。いやあ楽しい作品です。
The Complete Stones #2 / The Rolling Stones (2023 Eternal Groove)
Tracks:
01. That Girl Belongs To Yesterday
02. It Should Be You
03. Leave Me Alone
04. Medley
05. Will You Be My Lover Tonight
06. It Should Be You (George Bean single version)
07. To Know Him Is To Love Him
08. There Are But Five Rolling Stones
09. 365 Rolling Stones
10. Oh, I Do Like To See Me On The 'B' Side
11. Route 66
12. Mona
13. Carol
14. Walking The Dog
15. You Can Make It If You Try
16. Not Fade Away
17. I'm A King Bee (inst)
18. I'm A King Bee
19. Honest I Do
20. Not Fade Away 2
21. Andrew's Blues
22. Mr. Spencer & Mr. Pitney Come Too
23. Now I've Got A Witness
24. Little Bey Little
25. Can I Get A Witness
26. Shang A Doo Lang (Adrienne Poster single)
27. Kellogg's Rice Krispies
28. Try A Little Harder
29. Some Things Just Stick In Your Mind
Personnel:
Mick Jaggar : vocal, maracas, harmonica, handclaps, tambourine
Keith Richards : guitar
Brian Jones : guitar, handclap, vocal, harmonica, tambourine
Bill Wyman : bass, maracas, chorus
Charlie Watts : drums
***
Ian Stewart : piano, organ
George Bean : vocal
Cleo : vocal
Gene Pitney : piano
Phil Spector : maracas, vocal
Graham Nash : chorus
Allan Clark : chorus
Adrienne Poster : vocal
Andrew Ordham Orchestra
Big Jim Sullivan : guitar, pedal steel guitar
第二弾には1963年11月20日から1964年2月13日までの録音が収録されています。当時リリースされた作品としては、サード・シングル「ノット・フェイド・アウェイ」、そして「テル・ミー」を除くデビュー・アルバム全曲がカバーされています。
この時期のストーンズはいわゆる「外タレ」公演の前座を務めるなど、そのライヴ会場は確実にステップアップしてきていました。一方、既発のシングル曲は全くの不発というわけでもありませんが、期待した大ヒットには結びついておらず、さらなる展開が必要でした。
そこはやはりオリジナル楽曲なのでしょう。オールダムはミック・ジャガーとキース・リチャーズに曲作りを強いていきます。この当時はブライアン・ジョーンズが音楽的なリーダーだったと認識しているのですが、曲作りがブライアンでないのが私には今でも腑に落ちません。
この頃、ジャガー・リチャーズが書いた曲はどうにもストーンズ向きではなかったことから、オールダムはこれを他の人に提供することとします。ここではそのデモ音源などが収録されています。ストーンズの演奏ではありませんが完成版も収録されています。
ジョージ・ビーンやクレオ・シルヴェスターの楽曲がそれです。ジャガー・リチャーズの初の作品ということになります。ストーンズ向きではないとされていますが、確かにゴリゴリのブルースなどではないものの、後のストーンズの楽曲が頭をよぎるような曲ばかりです。
ついでにアンドリュー・オールダム・オーケストラ名義で発表されたシングル「365ローリング・ストーンズ」が収録されています。ストーンズによるインストゥルメンタル曲ですが、これをシングルで発表するのですからオールダムという人は凄いものです。
やがて、ストーンズに、ようやくデッカ・レコードからファースト・アルバムの制作へのゴーサインが出ます。本作品の後半はこのデビュー・アルバムに向けたセッションが中心となります。ここでのキーワードは憧れのプロデューサー、フィル・スペクターです。
ロネッツの英国ツアーに帯同したストーンズですから機は熟していて、セッションのスタジオにスペクターがやって来ることになりました。しかも時の大スター、ジーン・ピットニーを連れて。ウォール・オブ・サウンドの本家はストーンズの録音にも手を貸しています。
このあたりの消息がよく分かるのが本作品のいいところです。なぜか私まで、スペクターが来た!と嬉しくなってしまいます。スペクターとの共作「リトル・バイ・リトル」を除けばすべてカバー曲ですが、第一弾から続けて聴いていると演奏技術の進歩ぶりが実感できます。
なお、まだ課外活動は続いていて、女優となるエイドリアン・ポスターへの提供曲やオールダムのオーケストラ用の曲が収録されています。極めつけはケロッグのCMソングです。ストーンズが演奏し、ミックが歌っています。これがかっこいい。いやあ楽しい作品です。
The Complete Stones #2 / The Rolling Stones (2023 Eternal Groove)
Tracks:
01. That Girl Belongs To Yesterday
02. It Should Be You
03. Leave Me Alone
04. Medley
05. Will You Be My Lover Tonight
06. It Should Be You (George Bean single version)
07. To Know Him Is To Love Him
08. There Are But Five Rolling Stones
09. 365 Rolling Stones
10. Oh, I Do Like To See Me On The 'B' Side
11. Route 66
12. Mona
13. Carol
14. Walking The Dog
15. You Can Make It If You Try
16. Not Fade Away
17. I'm A King Bee (inst)
18. I'm A King Bee
19. Honest I Do
20. Not Fade Away 2
21. Andrew's Blues
22. Mr. Spencer & Mr. Pitney Come Too
23. Now I've Got A Witness
24. Little Bey Little
25. Can I Get A Witness
26. Shang A Doo Lang (Adrienne Poster single)
27. Kellogg's Rice Krispies
28. Try A Little Harder
29. Some Things Just Stick In Your Mind
Personnel:
Mick Jaggar : vocal, maracas, harmonica, handclaps, tambourine
Keith Richards : guitar
Brian Jones : guitar, handclap, vocal, harmonica, tambourine
Bill Wyman : bass, maracas, chorus
Charlie Watts : drums
***
Ian Stewart : piano, organ
George Bean : vocal
Cleo : vocal
Gene Pitney : piano
Phil Spector : maracas, vocal
Graham Nash : chorus
Allan Clark : chorus
Adrienne Poster : vocal
Andrew Ordham Orchestra
Big Jim Sullivan : guitar, pedal steel guitar