グリーン・デイの6枚目のスタジオ・アルバム「ウォーニング」です。前作「ニムロッド」から3年という長い期間を経て発表されました。グリーン・デイはこの後「アメリカン・イディオット」を発表することになりますから、人気曲線の谷底に発表されたアルバムといえます。
ビリー・ジョー・アームストロングはこの作品について、「アコースティック・ギターにハマり出した頃で、『ウォーニング』にはそうした要素をより多く取り入れたいと思ったんだ」と語っています。確かにこの作品にはアコギが目立ちます。それが一つの特徴です。
思えば前作にはアコギを使った問題作「グッド・リダンス」がありました。結果的にはグリーン・デイの代表曲として親しまれることになりましたが、ビリー・ジョーは本当に発表していいのかどうか悩んだそうです。パンクの代表選手の軛は大きかったのでしょう。
彼はまた「当時は酷いポップ・パンクがたくさん登場し出した頃だったからね。ジャンルに対抗してやろうと思ったんだよ」とも語っています。そこにポップ・パンクの本家からのパンクをぶつけるのではなく、「次のステップに踏み出したような感じ」を提示しました。
アルバムを鳴らしてみると、いきなりパンクとは異なるサウンドが出てきます。明らかに違うぞと印象付けています。思えば、前作もそうでした。グリーン・デイは自分たちのスタイルを模索していたということなのでしょう。悩めるバンド、グリーン・デイです。
メーカーからの一言では、前作の「キャッチーでポップなメロディック・パンクを貫きながら」、「楽曲に幅を持たせた意欲作」に対し、本作は「これまでのメロディック・パンクから、ロックンロール寄りの曲調への変化が見られる」とその違いをうまく表現しています。
本作品では、ボードヴィル調の「ミズリー」のような変わった作品はあるものの、基本的にはもはやパンクとは言えない王道ロック・サウンドが堂々と展開していきます。ラモーンズというよりも、ビートルズやCCRなどの名前が思い出されるサウンドです。
それにしてもビリー・ジョーとマイク・ダーント、トレ・クールのトリオが作り出す楽曲は本当に質が高いと思います。バンドの癖となっている流れるメロディーと、高速リズムはロック調になっても生き生きと主張してきます。かっこいいです。
本作品からは「マイノリティー」の大ヒットが生まれました。イントロのギターに導かれるように始まる印象的なメロディーのキャッチーな曲です。この曲に対して、ビリー・ジョーは「ライヴ・セットのほうがアルバムのバージョンよりはるかにいいと思っている」と言います。
全体によりライヴ音源に近いものを作りたかったと感じているようで「当時に戻って、このアルバムをもう一度レコーディングしたい」と発言しています。やはり基本はライヴ・バンドなんですね。三人組のストレートなロックですから、ライヴが本拠地だということでしょう。
アルバムは全米4位と前作を上回りましたが、プラチナ・ディスクとはならず、グリーン・デイ低迷期の象徴となりました。とはいえ全世界で500万枚を売りましたし、アルバムの評判は時が経つにつれて上がってきています。落ち着いたいいアルバムですから。
参照:NMEジャパン(2020/1/31)
Warning / Green Day (2000 Reprise)
ビリー・ジョー・アームストロングはこの作品について、「アコースティック・ギターにハマり出した頃で、『ウォーニング』にはそうした要素をより多く取り入れたいと思ったんだ」と語っています。確かにこの作品にはアコギが目立ちます。それが一つの特徴です。
思えば前作にはアコギを使った問題作「グッド・リダンス」がありました。結果的にはグリーン・デイの代表曲として親しまれることになりましたが、ビリー・ジョーは本当に発表していいのかどうか悩んだそうです。パンクの代表選手の軛は大きかったのでしょう。
彼はまた「当時は酷いポップ・パンクがたくさん登場し出した頃だったからね。ジャンルに対抗してやろうと思ったんだよ」とも語っています。そこにポップ・パンクの本家からのパンクをぶつけるのではなく、「次のステップに踏み出したような感じ」を提示しました。
アルバムを鳴らしてみると、いきなりパンクとは異なるサウンドが出てきます。明らかに違うぞと印象付けています。思えば、前作もそうでした。グリーン・デイは自分たちのスタイルを模索していたということなのでしょう。悩めるバンド、グリーン・デイです。
メーカーからの一言では、前作の「キャッチーでポップなメロディック・パンクを貫きながら」、「楽曲に幅を持たせた意欲作」に対し、本作は「これまでのメロディック・パンクから、ロックンロール寄りの曲調への変化が見られる」とその違いをうまく表現しています。
本作品では、ボードヴィル調の「ミズリー」のような変わった作品はあるものの、基本的にはもはやパンクとは言えない王道ロック・サウンドが堂々と展開していきます。ラモーンズというよりも、ビートルズやCCRなどの名前が思い出されるサウンドです。
それにしてもビリー・ジョーとマイク・ダーント、トレ・クールのトリオが作り出す楽曲は本当に質が高いと思います。バンドの癖となっている流れるメロディーと、高速リズムはロック調になっても生き生きと主張してきます。かっこいいです。
本作品からは「マイノリティー」の大ヒットが生まれました。イントロのギターに導かれるように始まる印象的なメロディーのキャッチーな曲です。この曲に対して、ビリー・ジョーは「ライヴ・セットのほうがアルバムのバージョンよりはるかにいいと思っている」と言います。
全体によりライヴ音源に近いものを作りたかったと感じているようで「当時に戻って、このアルバムをもう一度レコーディングしたい」と発言しています。やはり基本はライヴ・バンドなんですね。三人組のストレートなロックですから、ライヴが本拠地だということでしょう。
アルバムは全米4位と前作を上回りましたが、プラチナ・ディスクとはならず、グリーン・デイ低迷期の象徴となりました。とはいえ全世界で500万枚を売りましたし、アルバムの評判は時が経つにつれて上がってきています。落ち着いたいいアルバムですから。
参照:NMEジャパン(2020/1/31)
Warning / Green Day (2000 Reprise)