ジャケットを見ると一瞬ウォルト・ディスニーかと思ってしまいます。髭はありませんが、ハリウッドの映画を思わせる配色とデザイン、背広にネクタイ姿のアメリカ男。古き良き時代のアメリカをこれ以上ないくらいに表現しています。カナダの人ですが。
その昔、大きなステレオ・セットを置いてある家には必ずイージー・リスニングと呼ばれるジャンルのLPが置いてあったものです。我が家も例外ではなく、ステレオと同時に魅惑のなんちゃらというシリーズがやってきました。
その中にパーシー・フェイス楽団のアルバムがあったかどうか定かではありませんが、少なくとも「夏の日の恋」はありました。誰もが知っているミリオン・セラー、パーシー・フェイスにグラミー賞をもたらした大ヒット曲です。
この作品は「1960年の大ヒット曲『夏の日の恋』を初めて収録した記念すべきオリジナル・グレイテスト・ヒッツ!」です。フェイスは1908年生まれですから、この年にはすでに52歳。アメリカ生活は20年、コロンビア・レコード入りして10年の節目の年でした。
カナダ生まれのパーシー・フェイスは幼いころからピアニストを目指しましたが、両手を火傷して断念、オーケストラのアレンジという新しい世界を見出し、カナダ国営放送の専任指揮者として活躍した後、アメリカに活動拠点を移し、大成功を収めました。
チャート入りした楽曲は合計すると33曲、ミリオン・セラーも多く、このアルバムには「夏の日の恋」、「デリカード」、「ムーラン・ルージュの歌」の3曲が収録されています。今やロックやヒップホップに席巻されていますが、ヒット・チャートは昔はこういう音楽だったんです。
サウンドはオーケストラによって演奏されるポピュラー音楽、いわゆるイージー・リスニングです。しかし、後の流行歌をオーケストラ・アレンジで聴かせる類のイージー・リスニングではなく、オリジナルないしはそうでなくてもこちらが本家となる曲ばかりです。
その幅は結構広く、このアルバムでもカンツォーネ、シャンソン、ルンバ、メレンゲ、ジャズ、ロック、さらにはモダン・クラシック的な曲など多彩です。それがオーケストラ・アレンジを施され、時にはボーカルやハープシコードを入れて聴かせます。自由度が高い。
ロックの出現でヒット・チャートががらりと変わってしまう前の、古き良き時代のポピュラー音楽がつまっています。もちろん、私の若いころには目の敵にしていた音楽なのですけれども、そんなことには拘わらず否が応でも耳に入っているものです。
わざわざレコードを取り出してターンテーブルに乗せるなどということをしたことはありませんでしたが、ここにこうしてCD再発を聴いてみると、ほとんどの曲は耳に馴染み深い。テレビやラジオ、あるいは喫茶店のBGMなどで聴いていたのでしょう。何だかほっこりします。
イージー・リスニングという言い方はあまり好きではありません。世界のいくばくかはこうした音楽によって築き上げられてきたという事実を顧みると、イージーで良いのか疑問です。それとも人類を洗脳するためにあえて付けられたレッテルなのでしょうか。
Greatest Hits / Percy Faith (1962 Columbia)
その昔、大きなステレオ・セットを置いてある家には必ずイージー・リスニングと呼ばれるジャンルのLPが置いてあったものです。我が家も例外ではなく、ステレオと同時に魅惑のなんちゃらというシリーズがやってきました。
その中にパーシー・フェイス楽団のアルバムがあったかどうか定かではありませんが、少なくとも「夏の日の恋」はありました。誰もが知っているミリオン・セラー、パーシー・フェイスにグラミー賞をもたらした大ヒット曲です。
この作品は「1960年の大ヒット曲『夏の日の恋』を初めて収録した記念すべきオリジナル・グレイテスト・ヒッツ!」です。フェイスは1908年生まれですから、この年にはすでに52歳。アメリカ生活は20年、コロンビア・レコード入りして10年の節目の年でした。
カナダ生まれのパーシー・フェイスは幼いころからピアニストを目指しましたが、両手を火傷して断念、オーケストラのアレンジという新しい世界を見出し、カナダ国営放送の専任指揮者として活躍した後、アメリカに活動拠点を移し、大成功を収めました。
チャート入りした楽曲は合計すると33曲、ミリオン・セラーも多く、このアルバムには「夏の日の恋」、「デリカード」、「ムーラン・ルージュの歌」の3曲が収録されています。今やロックやヒップホップに席巻されていますが、ヒット・チャートは昔はこういう音楽だったんです。
サウンドはオーケストラによって演奏されるポピュラー音楽、いわゆるイージー・リスニングです。しかし、後の流行歌をオーケストラ・アレンジで聴かせる類のイージー・リスニングではなく、オリジナルないしはそうでなくてもこちらが本家となる曲ばかりです。
その幅は結構広く、このアルバムでもカンツォーネ、シャンソン、ルンバ、メレンゲ、ジャズ、ロック、さらにはモダン・クラシック的な曲など多彩です。それがオーケストラ・アレンジを施され、時にはボーカルやハープシコードを入れて聴かせます。自由度が高い。
ロックの出現でヒット・チャートががらりと変わってしまう前の、古き良き時代のポピュラー音楽がつまっています。もちろん、私の若いころには目の敵にしていた音楽なのですけれども、そんなことには拘わらず否が応でも耳に入っているものです。
わざわざレコードを取り出してターンテーブルに乗せるなどということをしたことはありませんでしたが、ここにこうしてCD再発を聴いてみると、ほとんどの曲は耳に馴染み深い。テレビやラジオ、あるいは喫茶店のBGMなどで聴いていたのでしょう。何だかほっこりします。
イージー・リスニングという言い方はあまり好きではありません。世界のいくばくかはこうした音楽によって築き上げられてきたという事実を顧みると、イージーで良いのか疑問です。それとも人類を洗脳するためにあえて付けられたレッテルなのでしょうか。
Greatest Hits / Percy Faith (1962 Columbia)