$あれも聴きたいこれも聴きたい 30年以上の歳月を経て、とうとう夢が実現しました。映画「ロックン・ロール・ハイスクール」を見たんです。BSでやっていたのをたまたま息子が録画していました。長年気になっていたので、感激も一入です。

 それでどうだったか。一言で言うとくだらない。あまりにもくだらない。低予算映画の王者の異名をとるロジャー・コーマンの面目躍如たるものがあります。よくもまあ最後まで撮れたものだと大いに感動いたしました。繰り返しますが、本当にくだらない映画でした。

 ロックンロール好きでどうしようもない生徒たちのせいで校長が次々と精神に異常をきたしてしまう高校が舞台です。新しく着任した校長が引き締めにかかり、生徒たちのリーダー格でラモーンズ命の女生徒と対決しますが、最後は生徒が学校を占拠した上に校舎を爆破して大団円となります。

 この映画はラモーンズとロジャー・コーマンが意気投合して出来た映画ですから、ラモーンズの出番がかなりあります。映画の中ではアメリカのトップ・スター扱いで、キャデラックに乗って登場します。彼らはライブ・シーン、女の子の妄想の中のシーン、楽屋と密度濃く登場します。最後は高校の名誉学生となって占拠に加わっていますし。

 何で気になっていたかと言うと、サントラを持っていたからです。ラモーンズのファンでしたから。それに音楽映画ですから、学園をテーマにしたいろんなロックが入っていて、サントラとして純粋に面白かったんです。

 収められている曲の半分近くはラモーンズです。タイトル曲を始め、この映画のための新曲が2曲、人気曲のライブ・メドレーも入っています。もちろん♪ガバガバヘイ♪は入っています。主演女優のPJソールズもラモーンズとは別にタイトル曲を歌っています。

 他には同時代からディーボ、エディー&ア・ホット・ロッズの「十代の爆走」、古いところではチャック・ベリーの「スクール・デイズ」やアリス・クーパーの「スクールズ・アウト」などがいかにも学園ものです。

 昔から疑問だったのはブライアン・イーノの「エナジー・フールズ・ザ・マジシャン」でした。パーシー・ジョーンズの変態ベースが活躍する静かなインストです。どこで鳴るのだろうかと思っていましたら、校長先生が陰謀を巡らせているシーンでした。ぴったりでした。

 トッド・ラングレンの「夢は果てしなく」だけはどこで鳴っているのか見終わった後も皆目見当がつきません。もう一度見ようと思わないので、どなたか気づかれた方、教えて頂けると幸いです。

 ラモーンズの面々は楽しそうに演技しています。台詞はほとんどありませんが、それでも「難しかった」と言っているところがおかしいです。ステージでの演奏シーンは文句なくカッコいいのですが、それ以外はとても変です。特にジョーイは宇宙人のCGのようです。

 撮影はみんなすごく楽しかったそうです。ラモーンズのへんてこりんな魅力でカルト映画となったというちょっといい話です。

Rock'n Roll High School (Original Soundtrack, 1979 Sire)