![$あれも聴きたいこれも聴きたい-Clash 02](https://stat.ameba.jp/user_images/20121224/14/memeren3/b0/99/j/t02000199_0200019912344169210.jpg?caw=800)
クラッシュの第二作目は、パンクそのもののデビュー盤とロック史上に残る傑作とされている三作目の間にはさまれた隙間作品だと思い込んでおりました。私のような隙間世代の人間には親しみを感じる位置づけでした。
デビュー・アルバムはわずか1週間で仕上げたそうですが、このアルバムには3か月かかりました。CBSレコードは、デビュー盤で奇跡のような真空パックを実現しました。しかし、その成功は本来の大手レコード会社の魂を呼び覚ましたようです。
今回はアメリカ市場での成功を目論んで、アメリカ仕様のアルバムをつくろうと、あろうことか「死神」で名高いブルー・オイスター・カルトのプロデューサー、サンディー・パールマンを指名します。パールマンはいい仕事をしていまして、きっちりとハード・ロック仕様にまとめあげました。
しかし、イギリスでは大ヒットしたものの、残念ながらアメリカではさっぱり売れませんでした。クラッシュの面々はこのプロデュース・ワークをあまり快く思っていなかったようです。売れていればまた違ったのかもしれませんね。
アマチュアっぽいところがまだ残っているものの、ハード・ロック仕様になってしまいますと、どうしてもパンク信奉者からは高い評価は得られません。当時は、クラッシュがパンク幻想を一手に引き受けていましたから、ファンはとまどったわけです。
私はと言いますと、当時、このパンク幻想があまり好きではありませんでしたから、代表格のクラッシュはそもそも敬遠しておりまして、このアルバムもちゃんと聴いた記憶があまりありません。知人が持っていたので聴いているはずなんですが。
今になって聴いてみますと、曲作りもこなれてきましたし、悪くはありません。しかし、すごく面白いかというとうーんと唸ってしまいます。何とも中途半端な感じがするんですよね。そんなこともあって、冒頭に戻って、評判が高いので驚いた次第です。まあ確かにかっこいいと言えばかっこいいですけどね。
それよりも、当時の評判では、とにかく「クラッシュはライブが凄い」ということでした。レコードを酷評する人でもライブは絶賛していましたね。見た人は口を揃えておっしゃいます。そこが凄く気になるバンドでした。
Give 'Em Enough Rope / The Clash (1978)