あれも聴きたいこれも聴きたい-Karajan クラシック系のエントリーも16回目となりました。さしたるクラシック・ファンでもないと言いますか、むしろ無知な方ですから、遅まきながらのクラシック入門を楽しんでいます。

 何となく家にCDがあるんですよね。唐突に子どもには聴かせておいた方がいいかなと思ったり、安くてお得だからとか、そんな理由でぽつぽつ買っていたわけです。それに売ってもいくらにもならないので売らないから買っただけ残っています。

 クラシック独特の鑑賞の仕方があるとすれば、比べ聞きでしょう。同じ曲をいろんな人がやっていますから、それを比較してあれこれ言う。それが楽しいのではないかと推察します。ジャズには少しあるかもしれませんが、ロックやポップスにはあまりない楽しみ方です。

 そういうわけで、今日は比較視聴に挑戦。先日、ネヴィル・マリナーとコンセルトヘボウの「惑星」を聴きましたから、今日はカラヤンの「惑星」に挑戦です。これは安いからという理由で買ったデッカ・レコードの50枚組の中の一枚です。

 同じ指揮者でも何回も同じ曲を録音していますから、録音時期も重要ですね。これは、カラヤン指揮ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団による1961年の録音です。

 何といってもボックス・セットの一枚ですから、全然知らなかったんですが、これは歴史的な録音なんですね。カラヤンのこの録音が、それまでイギリスで細々と聴かれているに過ぎなかったホルストの「惑星」をクラシックの定番に押し上げることになったということです。これがなければ、平原綾香の「ジュピター」もなかったわけです。

 聴いてみた感想はと申し上げますと、これは素直に感動しました。何というか、ハード・ロックです。当時、カラヤンは53歳。円熟のハード・ロッカーでした。冒頭のとてもスター・ウォーズな「火星」のど迫力は凄いです。思わず、おおっとうなりました。ロックしています。

 それにハード・ロッカーはバラードもうまい。というわけで二番目の「金星」、セーラー・ヴィーナス美奈子ちゃんの優美な姿を彷彿とさせる、麗しい弦の響きは素晴らしいです。日本ではおなじみの「木星」の伸びやかな感じもいいですし、「土星」の迫力も捨てがたい。結局、全部かっこいい。全編を通して、息つく暇もない緊張感が漂います。

 マリナーのちゃんとした演奏もいいと思いますが、私にはこういうワイルドな演奏の方がしっくりきます。やんちゃやん、と言う感じですが、結局これが歴史を作ったわけですから、クラシック・ファンの方もこういう方が好きなんですね。

 ところで、録音が素晴らしいです。もともとこのセットはデッカの録音技術に焦点をあてたセットなのですが、その中でも代表的なものらしく、50年も前の録音とはとても思えない生々しさです。エアコンなどは切って静かにして楽しむべきものですね。

Holst "Planets" / Herbert von Karajan, Vienna Philharmonic (1961)

カラヤンとウィーン・フィルの「惑星」を見つけました。