![あれも聴きたいこれも聴きたい-松浦亜弥2](https://stat.ameba.jp/user_images/20120107/16/memeren3/a5/40/j/t02000200_0200020011721245543.jpg?caw=800)
これは10周年記念のベスト・アルバムです。シングル曲を並べたというわけではなくて、ご本人曰く「LIVEを振り返ったり、ファンの皆様から人気の高い曲で構成しました」ということで、コアなファンじゃないと知らない曲も多いです。それに「トロピカ~ル恋して~る」とか「The美学」とか「草原の人」は入っていません。アーティストっぽいですね。
面白いのはおまけにDVDが入っていて、これがCDとだぶりがない。2枚組ベストということになります。こういう試みはこれまであまりありませんでしたよね。結構な趣向かと思います。あややキャラの頂点の作品だと思われる「ね~え?」はしっかりクリップで収録です。
CDを見ていきますと、曲は大たい年代順にならんでいます。最初の8曲はつんく♂、残りの8曲が別の人の曲になります。あややキャラ全開時代と脱皮模索アーティスト志向時代に分けられることになりますかね。
多くの人は、歌手としての彼女はつんく♂時代しか知らないのではないでしょうか。つんく♂時代ははっちゃけた楽曲が並んでいます。歌詞だけではなくて、メロディー、サウンドいずれもかなり遊び心に満ちていて、キラキラ加減がまぶしいです。特に「♡桃色片想い♡」と「Yeah!めっちゃホリデイ」。あややの代表曲ですが、それにふさわしい弾けぶり。凄いですね。
一方、つんく♂の最後の方以降は、バラードを中心とした歌い上げる歌唱が目立ち、アーティスト志向となってきます。彼女はあややキャラに対する複雑な思いを吐露していますが、いろいろと悩んだ時期なんでしょうね。CDの方は歌い方に思い切りがないような気がします。むしろDVDに収められているコンサートでの歌唱の方が私は好きです。
しかし、彼女はつんく♂時代はともかくあまりヒットに恵まれません。楽曲の魅力が今一つ乏しいところに大きな要因があると思います。さすがにベストに入るだけあって、どれもいい曲なんですが、突破力がありません。流れていってしまいます。
と思っていますと、最後の新曲は竹内まりあが作った「Subject:さようなら」、これはいい曲ですね。ヒットしてほしいものです。こういう昭和歌謡的な路線に進むのがいいかもしれません。ちょっと癖がありますが、歌唱力は立派なものですし。
ジャケットはいろんな人に支えられてあややがある、ということを表現したものだそうです。凄みのある表情も含めて、立派な大人ですね。
思えば大してヒット曲もないのに、10年間もしっかりと第一線で活躍しているというのは、彼女の特異な魅力を物語っているのだと思います。これからどうなっていくのか楽しみです。
10th Anniverswary Best / 松浦亜弥 (2011)